待望の新作「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」の体験版をクリアしたので感想を書く。

 

ファンなら誰もが知っている、制作発表に至るまでかなりグダグダな経緯を抱える本作。

果たしてクソゲーなのか?それとも神ゲーなのか?

 

体験版ではあるが、以下気になったこと、思ったことを書く。
 

  グラフィック、アクション、デザイン面

 

 

フィールドの景色やキャラクターのグラフィックは、まるでフリーゲームを思わせるような簡素さ。

switchの最新作として見ると正直微妙な感は否めない。

だが、気になってプレイに支障が出るほど悪い訳でもない。普通よりやや下といった感じか。

基本的に大型モニターでプレイしていたのだが、Switch本体でやるとまだマシに見えるかも知れない。

 

今までよりもキャラクターの等身が上がり、全体的にリアルな作りとなっているのは良い。
モンスターのグラフィックはそれほど悪くない。

 

 

体験版ということで本格的なアクションは拝めなかったので、まだ断定はできないがモンスターのアクションがいささか単調。

UI?と言えばいいのかメニュー画面や、戦闘結果の画面の飾りっ気のないチープさも気になるところ。

もう少しデザイン面で凝ってもいいのでは?容量的な都合なのか?

 

フィールドのモンスターの動きが妙にカクつくのも気になる。製品版で改善されてほしい点。

 

大画面でモンスターズをプレイできるのは良い。この点は最大の評価ポイントといえる。

 

  音楽、ボイス

 

ドラクエ4の曲がふんだんに使われている。

特に通常の戦闘BGMに4の戦闘BGMが採用されているのは新鮮味があっていい。

ただしエンドール等の大会での戦闘BGMは従来通り。ジョーカーシリーズなどで使用された曲も健在。

こういう曲の使いまわしはもはやモンスターズの伝統なので、今更どうこうは言わない。

 

モンスターズ初のボイス化という事もあって、キャラクターやモンスターがよく喋る。

ただし主人公のピサロはあまり喋らない。バトルの時や、ジャンプする時に何か言う程度。

名前を変更できる都合からか「ピサロ」とも呼ばれない。

 

声優のチョイスや演技は基本的に悪くないが、気になるところもある。

 

まず精霊のアゲぴぴ。

ドラクエ9に出てきたサンディの二番煎じみたいなキャラなのだが、声が綺麗すぎるというか、演技がデフォルメされていないというか、あのマスコット的な見た目に全く合っておらず、浮いている印象がある。

まあ、慣れの問題なのかもしれないが。

 

小野大輔氏の声は少年期のピサロであればそんなに悪くはない。

だが、これが魔族の王ピサロとなるとちょっとイメージとは違うかな?

個人的にピサロはCDシアター版の池田秀一氏の方がイメージに近い。

あの貴族的でカリスマ性を感じさせる声がまさにピサロ!という感じがして、カッコイイんだよなぁ。

 
ロザリーは原作のイメージに近い声質でなかなか良い。
チラリと姿を見せたエビルプリーストも老獪さを感じさせる声と演技で悪くなかった。
 
一番うまいと思ったのはエンドールの大会のアナウンサー。まさにプロの仕事といった感じだった。

 

  システム

 

 

モンスターのスカウトに失敗すると敵が「いかり状態」になるというのは今まで通りだが、本作はすぐに「いかり状態」になる。

今までは3~4ターン目ぐらいで「いかり状態」になるのだが、今作は失敗したら即といった感じだ。

あと、「不機嫌になる」という仕様も導入された模様。

今までよりスカウトが難しくなったのか、今後の冒険でだいぶ楽になるのか、肉をあげろという事なのか。

 

ちょっとした事でロード画面に入るのも気になる所。戦闘に入るだけでも、町から外に出るだけでも、ロザリーヒルの塔に入るだけでも、井戸に入るだけでも、いちいちロード画面が入る。

最新のゲームなのだから、もう少しシームレスな仕様であってほしい。

 
歩いているだけで季節や天気が変化していく様は見ていて面白いが、モンスターの出現などに影響することを思うと煩わしい要素となる可能性もある。まあ、冒険を進めれば好きに操作できるとは思うが。

 

体験版とはあまり関係ないが、今までゲーム内に組み込まれていためぐりあいシステムの優良DLC化は正直印象は良くない。

もっとも、今までであればそれなりにやり込まないと解禁されなかったシステムが、お金を払えば即使えると思えば悪い話でもないのかも知れないが。

 

色々と悪い部分を書いたが、スカウト時に味方モンスターの攻撃アクションが入らず、テンポよくスカウトできる。
序盤で戦闘を2倍速にできる(製品版では不明)
♂♀の概念がなく、配合がサクサクできるなど、良い部分も多い。
 
歴代モンスターズよりも快適なプレイができるのは確かだろう。
 

  設定面

 

全体的にモンスターズというよりピサロの前日譚という印象を受ける。

そうなってくると気になるのが、怪物形態のデスピサロは使えるのか?という点だろう。

既に映像などで公開されていたら悪いが、自分は見ていないので知らない。

もし登場するなら、世界観的にだいぶおかしい事にはなりそうだが、出なかったら出なかったでガッカリではある。

 

ピサロが魔界の王子というのは意外。自ら最前線で戦うあの姿からして、一代で成り上がった叩き上げかと思っていたが。

 

母親が人間だったり、普通に人間と仲良くしてるのだがどうして4で人間皆殺しを決めたのか?

このあたりは体験版では描かれておらず、製品版で解き明かされるのだろうか。

 

舞台の一つである魔界で最初に訪れるエリアが5の魔界とそっくりである。

 

天空シリーズという繋がりがある以上、同一の魔界である可能性はあるだろう。

(この作品によれば魔界はいくつもあり、更に多くのエリアが存在するらしいが)

 

ピサロの父、ランディオル大帝は魔界の支配者らしいが、ミルドラースの先代の王だったりするのだろうか?

 

  キャラクターデザイン

 

 

ピサロやロザリーの見た目が80年代のアメリカ映画の若者のバイカーファッションのようだ。(よくわからん例え)

特にロザリーの見た目は原作のおしとやかなイメージに反して快活さを感じさせるものになっている。

まあ険しい魔界をスカート姿で冒険する訳にもいかないから仕方がないのか。

 

  総評

 

 

まだ体験版なのでハッキリとした事は言えないが、クソゲーという印象はない。

充分遊べる内容となっており、普通に製品版がほしくなる出来だ。

 

もっとも、だからと言ってクオリティが高いとも言えないし、不安に感じる部分が多いのも事実。

一体製品版はどれだけ面白くなっているのか?

 

発売を楽しみに待ちたいと思う。