最近、夢中になって読んでいる本がこちらです。
『GRIT やり抜く力』
人生の成功を決めるのは、
「才能」か「努力」か?
という
おそらく、人類が普遍的に抱く疑問に、
心理学、教育学の知見から答える本です。
元教員なので、
「才能を伸ばす」などの才能論は今でも興味津々で、
特に、
「才能」と「努力」は
どちらが成功に影響を与えるのか?
というテーマは、
才能論の中でも非常に興味深いのです。
というのも。
教育現場にいて感じたことは、
IQが同じくらいでも成績が全然違う
ということが
ザラにありえたから。
「教育」という現場に限っていえば、
「才能」と多くの人が感じるものは、「IQ」だと思うのですが、
「才能」って、もちろん結果にある程度リンクするけど、
絶対的なものじゃない。
「その時点」でのポテンシャルを測る
入学試験の成績は、
入学後の成績にある程度リンクするものの、
「3年」という時間経過の後では、
そのまま高成績な子と、
そのまま低成績な子だけじゃなく、
低成績だったのに、卒業する時は高成績になっている子と、
高成績だったのに、低成績になっている子が、
どの学年でも絶対いる。
ということは、
「ポテンシャル」×「頑張る力」
の掛け算が重要なのだろうけど、
「頑張れる子」と「頑張れない子」を分けるものは何?
それは絶対IQ(才能)じゃない。
じゃあ何なの?
そんな疑問をずーっと持っていたですが、
本の中の以下の実験結果を読んで、
「頑張れる子」と「頑張れない子」の違いは
どこから生まれるのだろう?
という疑問の答えをもらったように感じました。
1964年に、こんな実験が行われたそうです。
ケージに入れられた犬の後ろ足に、
不規則に警告なしに電気ショックを与える。
1つのケージでは、
犬が何もしない場合は5秒続くけれど、
ケージの前のパネルを押すとすぐに終わる。
別のケージでは、
パネルがないため、犬は5秒耐えるしかない。
片方のケージだけが、
「電気ショックの長さを自分でコントロールできる」
状態で実験され、
翌日、犬たちは、
ケージの真ん中に飛び越えられる壁があり、
音が鳴ると犬がいる方の床に電流が流される。
壁の向こうは電流が流れない。
という実験をされた。
すると、前日「パネルあり」ケージに入れられた犬たちは
壁を飛び越え、安全な地帯に移動したが、
「パネルなし」ケージに入れられた犬たちは、
壁を飛び越えず、
床に横たわって、クンクン鳴きながら、
ただ電気ショックが終わるのを待っていた。
この実験から、
「無力感」をもたらすものは、
苦痛そのものではなく、
「苦痛を回避できないと思うこと」
だということが証明された。
これか!!!!!
20年間の謎が解けた…!!!
なぜ、頑張れないのか。
「無力な自分には、この状況をどうすることもできない」
この思い込みを持っているかいないか。
そこだったんだ。
まさに、言葉どおり「負け犬」を作るものは、「コントロールできない」という思い込み。
「自分には状況をコントロールできない」
という経験を、
小さい頃にたくさん経験してしまうと、
そして、
その思い込みを修正する体験を大人になるまでに積むことができないと、
「頑張っても無駄」
と思う大人ができあがってしまうんだ。
「頑張る」ためには、
「頑張ったら、この状況をどうにかできる」という「希望」が必要。
「希望」がなければ、
目の前に、飛び越えられる壁があってすら、
飛び越えることができなくなる。
「自分でコントロールできる」感の大きさが、
やり抜けるか、やり抜けないか、
に影響を与えるんだ…。
て考えると、
家庭内の虐待って最悪。
(「家族から逃げる」って選択肢、小さい子にはとれない)
「私、やってみたらできた!」
という経験を、
特に小さい時期に、
お子さんにたくさん積ませること、
その子の人生に
ものすごく深い影響を与えそうです。
めちゃくちゃ良書だったので、
多分また、
何回か続けて読書感想文書いていきます✨
オススメ本です。
あ、ちなみに、本の結論は、
人生の成功を決めるのは、
「才能」ではなく「努力」
という、人類に希望をもたらすものでした