もともと料理は好きではない。

誰か作ってくれる人がいるときは全面的に任せるし、

いないときだけ、仕方なしに作る。

近くに美味しくて手頃な値段のレストランがあれば、

しばしば足を運ぶ。

 

名古屋にいたときは、すぐ近くにえいこく屋があったので、

週に何回も行くことが多かった。

ビールとビリヤニ。この組み合わせが最高。

絶品の紅茶も、よく買って帰った。

 

千葉に移ってからは、2カ所に住んだが、

どちらも近所にこれといったレストランがなくて、

コンビニ弁当は望むところではない。

いきおい自分で料理する機会が増えた。

 

千葉に移ってしばらくして、

『週刊ポスト』に、興味深い連載が始まった。

題して「石倉三郎の料理事始め」。

石倉氏が毎回みずから料理して、

わかりやすく写真入りで紹介するという内容。

 

ひらめくものがあった。

石倉氏、というよりコント・レオナルドの石倉師匠、

というより今では、何はさておき自分の料理の師匠なわけだが、

師匠は小豆島出身、自分も瀬戸内海のほとりで生まれ育った身、

ということで、味覚的に相性がいいはず、

貴重な情報がもたらされそう、と反射的に思ったのである。

 

間違っていなかった。

紹介された料理をいくつか作ってみると、

何の違和感もなく美味しく感じた。

めずらしいことだ。

 

ベスト3は次の3品。

「濃厚ミネストローネ」

「だしじゃこの焼き飯」

「昔ながらの肉屋風コロッケ」

 

上2つは、何10回ではなく、ゆうに100回以上は作っている。

「コロッケ」は、まだ数回。

 

「ミネストローネ」は、大雑把に言えば、

小さく刻んだ野菜とベーコンに、

ホールトマトとトマトジュースと調味料を加えて煮るだけ。

とても簡単。

この冬は、病気になったこともあって作らなかったが、

学んで以来、寒くなると、

「ミネストローネ」の鍋がつねに冷蔵庫の一角を占めてきた。

 

「焼き飯」も作り方は簡単。

ご飯と煮干しとネギを炒めるだけ。

調味料は醤油だけ。

旧職場では、ほぼ毎日、

朝自宅で作ったこの「焼き飯」を昼食にした。

飽きることのない料理である。

 

「コロッケ」の中身は、ジャガイモ、玉葱、長葱に牛豚の合挽き。

こちらは揚げ物でもあるし、面倒なことが多いが、

師匠のレシピどおりに作れば、味は申し分なし。

ネットなどを見ると、

コロッケでご飯を食べるのが苦手な人が結構いるようだが、

自分は大好物。

できれば月に1回くらいは大量に作りたいところだが、

手間がかかるので、そうもいかない。

 

去年まで開設していたホームページのダイアリーに、

上記の内容と似たようなことを書いた記憶がある。

1度書いたことを、おなじ視点からなぞるのは、

1度目に報酬を得たわけではないにしても、

気づく人がいるはずもないにしても、

気がすすまないものである。

 

しかし、石倉師匠は、自分の生活に、

今なお豊かさを少なからずもたらしてくれている人。

このブログにも書いておこうと思って書いた。