久米明さんが亡くなった。
最近テレビを観ないので、
NHKの人気番組を降板したことは知らなかった。
96歳という高齢になっていたことも、
知らなかったので驚いた。
久米さんのナレーションが好きだった。
日下武史、森本毅郎、中村吉右衛門、そして久米さんと、
好きなナレーターが4人いたが、
日下さんも亡くなり、残る2人もすでに後期高齢者である。
淋しいかぎりだ。
久米さんといえば、1度遭遇したことがある。
酔心銀座店がまだ京橋寄りのビルの地下にあった頃、
よく食べに行っていたのだが、
ある日、ランチタイムが終わった時間帯に訪れると、
閑散とした店内の中央の席に久米さんがいて、
連れの男性と談笑していたのである。
テレビで観るままの知的な印象だった。
酔心には、新橋寄りのビルに移ってからは、
滅多に行かなくなった。
店が小さくなって、
せせこましい感じになったのも嫌だったが、
内装が明るくなり過ぎて、
自分好みではなくなったからである。
昔のあの焦げ茶色を基調とした、
落ち着いた雰囲気が良かった。
他の東京の店も何度か行ったことがあるが、
昔の銀座店には、遠く及ばなかった。
酔心は東京だけでなく、
広島にいた頃は、ランチ目的で、
中の棚の本店に足繁くかよった。
自分的には、酔心さえあれば他のレストランは1軒も要らない。
365日、1日3食、すべて酔心でも構わない。
そのくらい、自分にとっては最高の食事処である。
しかし、もう何年も暖簾をくぐっていない。
帰広すれば本店に行ってみたいが、
いまの体調では、叶わぬ願いである。