いよいよ、うちの山に桜の苗を植えていく。まず初めに茶畑の山に、そのあと速開都比売(あきつひめ)神社近くの杉(樹齢30年程)を伐採し、そこに桜並木をつくる。まあそう簡単な作業ではないし、桜が成長するまで時間を要するので、もしかすると桜並木を見届けることはできないかもしれない。それでも二十年後或いは三十年後、神社にお参りした人達が、私たちの植えた桜を見て喜んでくれればと思う。

 

実は、7年前、NHKで放送されていた「秩父山中 花のあとさき・最終章~ムツばあさんの歳月」を見た時、この思いが芽生えた。過疎化が進む埼玉県秩父山中の村で、耕さなくなった先祖代々の畑に1万本以上の花やもみじを植え続けてきた小林公一さんとムツさん。その姿に感動した。「耕せなくなった畑を放っておくのは申し訳ない。せめて花を植えて山に返したい」との思いが心に響いた。折しも義父が亡くなり、私たちが先祖の山を守っていくことになった時だった。それで山に桜を植えようと。

 

今はまだ介護をしている身なので、なかなか手伝うことはできないけれど、ムツばあさん夫婦のように、ぼちぼちふたりで桜を植えていけたらと思う。満開に咲き誇る桜の姿を思い浮かべながら。

 

 

 

 

小林公一さんとムツさんが植えた花が咲き誇る(2019年5月11日NHK放送より)

 

 

 

 

 

ムツばあさん(2009年1月逝去)公一さん(2006年9月逝去)

 

 

18年間にわたりNHKが記録した「秩父山中 花のあとさき」が2020年映画化されていた。

『花のあとさき ムツばあさんの歩いた道』

 

 

 

 

一ツ瀬川沿いに桜並木を