散りぬべき時知りてこそ世の中の
花も花なれ人も人なれ 細川ガラシャ辞世の歌
花の色はうつりにけりないたづらに
わが身世にふるながめせし間に 小野小町
明智光秀の三女細川玉(子)・クリスチャンネーム細川ガラシャは時代の波に対峙し、石田三成に人質としてとられ生き延びるより死を選んだ。享年38歳
小野小町は平安前期の歌人。生没年不詳
老年まで生きて、老い衰えた姿が伝承されている。
人生のむなしさや、衰えを嘆き、現世で叶わぬ恋をはかない夢にかけるなど、純粋で情熱的な歌から様々な伝説、説話が生まれたようで、事実ではないと言われる。
いずれにしても、ガラシャも小町も絶世の美女であったようだ。
美しい人は散り時を知り、ますます美しさに磨きがかかる。
散る空しさと潔さ。
自然界の花も、人の手が入っていても、時節を心得ていつの間にか咲き、静に乱れ、散り去る。
そんな自然のサイクルを科学の力で失くしてしまった人間
どの時代の人の生き方が美しく、自然であったかとは言えない。
夫々の時代の風に立ち向かった生、流れに任せた生、他者の力で生きることを止められた無念の生。
滅びた肉体が無残であっても
魂の中に潔さを持った散り際はどれも美しいはずだ。
目指せ潔さ!
2022.8.26 晴 32℃