葡萄棚(季語・秋)・甲州 | 遊歩徒然(NOBUのつぶやき)

遊歩徒然(NOBUのつぶやき)

日常の思いを風に乗せてつぶやくように・・

 

 

もう少し待ってて

もう少し太るから

 

黒葡萄白き帽子の余白かな 遊歩

 

夏ってこんなに暑かったかな

夏だもの暑いよ

それにしても・・

 

紀元前2500年頃のエジプトの壁画に葡萄と葡萄酒を作っている絵があるという。蔓性の植物の生命力は計り知れない。

日本では、古名を「えびかづら」といった。甲斐の国(山梨県)に1186年自生葡萄の中からよいものを栽培して甲州葡萄ができたとされる。甘露な巨峰は日本で作られた。

見事な日本人の仕事!

生命力の強さから葡萄唐草の絵柄は様々なところに用いられたのだろう。

今年の収穫の良しあしはこれからの天候にも左右されるらしい。

命あるもの、生き残るには様々な努力を自力他力で頂きながら、より良い生を全うする。病に倒れるもの、規格に沿わないもの、未成熟な物、同じ土壌で生きても様々な生。すべては無駄でないはず。

などと、規格を外れ袋掛けされなかった葡萄にも存在の意味はあるはず。

規格に沿ったものを良質な、などと誰が決めたのか。

 

 

 

 

こんな俳句があった

 

老いてゆく恋人よ葡萄棚の下  今井杏太郎

 

老いても恋人と呼ばれるのは幸せ、その生命力は葡萄の如しかな、老いる前から恋人であったわけだから、根を張り生き抜くことは老いること。

 

とはいえ、ああ、無情 

時の確かさ

 

 

            京都 2022.8.2 晴 37℃