西行に花疲れはなかったのか・・・ | 遊歩徒然(NOBUのつぶやき)

遊歩徒然(NOBUのつぶやき)

日常の思いを風に乗せてつぶやくように・・

 

             嵯峨嵐山付近   2022.3.29

西行・山家集より

願はくははなのしたにて春死なん

      そのきさらぎの望月のころ

 

仏には桜の花をたてまつれ

      わが後の世を人とぶらはば

 

山桜霞の衣厚く着て

       この春だにも風つつまなん

 

ならひありて風さそふとも山桜

       尋ぬるわれを待ちつけて散れ

 

今よりは花見ん人に伝へおかん

       世を遁れつつ山に住まへと

 

西行ほど桜を愛し、歌った人をほかに知らない

西行の桜を追う、恋う心に添って

ぱらぱらと歌集を捲っただけでも

疲れる程多くの桜がある

京都では様々な桜がそれなりの風情をもって

儚く、華やかに、激しく咲く

一日桜を愛でて歩いただけで

帰宅後にも花の精気に纏われる

疲れを覚える

 

梅の花との対極

 

日本中に

世界に

桜は咲く

 

仏になっても桜を供えて欲しいと想う西行は

桜の精と共に生きていた人なのだろう

 

 

               京都御苑  2022.3.29

 

帰り来て宙を視たまま小半日御苑の枝垂れ心を揺らす

 

                   2022.3.31 雨後曇 14℃