京都の雨は新しく芽吹いた新緑の葉の色を深めていきます。

それが確かめられるのがお寺です。

この時期、お寺の庭は緑一色ではありません。黄緑色やら緑色やら、いい具合に混ざるんです。(のんびり写真でも撮りにいきたいのですが中々時間がとれません(u_u))


また、苔が一年で一番生き生きとする季節でもあります。夏に向けて剪定を終えたお寺の庭を眺めるには一年で一番良い季節なんです。

春秋の観光シーズンの人混みで京都を語るなかれ、とくに今日みたいな雨の日は最高ですよ。

京都の景色は緑が基調になります。

三方を山に囲まれた土地、いやでも緑が目に映ります。

京焼もまた然り。京焼の絵付けは緑が大変重要な色彩となります。

赤絵

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赤絵でも緑・・中国大陸の明国から伝わった赤絵の器は緑を加えて京都で独自の世界をつくりました。赤の強さを緑が抑えるのですが、むしろそのことで赤の鮮やかさが強調されます。


竹絵

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この緑と青の色使いは京焼黎明期に流行した色使いでもあり、今の京焼・清水焼とは一線を画して『古清水』と呼ばれています。

京都といえば竹。竹の表現方法は他を寄せ付けません。この花生はその古清水の色使いを再現しています。緑の濃淡で見事に竹林を表現。


以前お煎茶道具を造る職人さんに聞いた話では、京焼の緑の目指すところはお豆さんの緑。

「うちら職人はな、あのツルんと剥けた時の綺麗な緑を目指してんねんやで、豆彩って言うねんけどな」って。


でも不思議な事があります。こんなに優しい色を目指してんのにそれを縁取る金の絵の具・・・


これでええのんか京焼!?


続く


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