養蜂を始めた切っ掛けは、偶然が偶然に重なって、つまりは偶然です。






北関東の平野部で生まれ育った私は、就職のため都内に出ました。時は戦後の動乱も落ち着き、日本は目覚ましい復興を継続していましたが、(今はもうありません)米軍立川基地の近くで働いていて、身体の大きな軍人さんと仕事絡みで友達になったりで、米軍極東放送網と耳で英語を覚えたりしましたし、その後、転職して千葉に移り、さらに埼玉の南部に住んでいたこともありましたが・・・






兄の仕事を手伝うためと、子供が喘息気味で療養のためもあって利根川の畔に移り住みました。

今から30年くらい前の話です。






利根川の畔に移り住んだら、子供の喘息がみるみる軽快しはじめました。それだけでもラッキー、「俺はついてる」と思いましたが、さらに、ついていたのが養蜂との出会いだったのです。



この頃は兄の会社に居たのですが、いつか訪れる定年と言うモノの影がちらついていましたから、定年したら何をしようかと言うことも考えはじめていました。






ある日、犬を散歩していると、ハチがぶんぶんと飛び交っている場所があり、そこでハチを見ていると何やら畑の一角に木の箱が積まれて並んでいるのが見えました。

その時は「あれは巣箱かな?」と思った程度でしたが、ほとんど毎日の犬の散歩コースでしたから、ある日その巣箱を開けているオジサンに出会えたのです。






私は平気で自分の倍もある外人さんでも先に話し掛けるので、すぐに話し掛けてみましたら、そのオジサンが養蜂についていろいろ話してくれ、それからは毎日のようにそのオジサンから蜂についてお話を聞かせてもらうことが出来たのです。

「養蜂面白そう」と思いましたが、仕事がありますので、その時はまだアクションは起こしていません。(あのオジサンも本当に小規模で自分のために何箱か持っていた程度でしたし)






そして、時は流れ、いよいよ60歳の誕生日を迎え、埼玉県の花園町(現深谷市)にある花園養蜂場さんに弟子入りしたのです。

つづく