クラブコスメチックスの祖、中山太一がモデル。『コスメの王様』を読みました! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

化粧の日本史ブログ by Yamamura

昔の化粧から今の化粧まで、
化粧と社会、化粧と文化に関する
さまざまな話題をとりあげていきます。









サイト内の文章・写真などの複製、無断転載を禁止します

◆フィクションだけど、双美人も「洗粉」も出てきます!

 

こんにちは、山村です!

そろそろ暖かい日が増えてきましたね。
東京都内は桜が満開で、春爛漫桜

 

新年度の始まりが桜と重なるのは、

久しぶりな気がしますニコニコ

 

さて今回は、

昔の化粧品業界を題材にした新刊小説

をご紹介しましょう。

本のタイトルは、

『コスメの王様』(小学館発行 2022年)下矢印

 


 

3月に出版されたばかりの新刊ですビックリマーク


この『コスメの王様』、

現在のクラブコスメチックスのルーツ、

中山太陽堂の初代社長中山太一がモデルキラキラ

中山太陽堂といえば、

明治36年(1903)に創業した大阪の化粧品メーカービックリマーク

クラブブランドが有名で、

戦前までは、東京の平尾賛平商店とともに、

業界を代表する大手化粧品会社でした。


ブレイクするきっかけとなった商品は、

明治39年に発売して大ヒットした

「クラブ洗粉(あらいこ)」キラキラ

 

双美人が商標の洗顔料です。
 

双美人マークは時代に合わせて

リニューアルされていますが、

現在も、発売当初とほぼ同じパッケージで販売されています。下矢印

 



中山太陽堂は、洗粉が爆発的に売れた後も、

無鉛白粉やクリームなど、次々とヒット商品を連発ビックリマーク


さらに、飛行機を飛ばしてチラシをまいたり、

当時は珍しいフォードの自動車を購入して

宣伝効果を狙うなど、

日本の広告史に残る画期的な宣伝手法で、

日本中に、中山太陽堂の名前と商品名を知らしめました!!

小説にも、そうしたエピソードが

ふんだんにちりばめられ、

一代にして大きな化粧品会社を作り上げた男の

サクセスストーリーが描かれていますビックリマーク

とはいえフィクションなので、

本書ではブランド名はクラブでなく、

ハート化粧品になっています。

 

だから洗粉も「ハート洗粉」爆  笑


主人公の名前は、

中山太一でなく永山利一。


化粧品会社の名前も中山太陽堂ではなく、

永山心美堂。
 

こう紹介するとビジネス書っぽい感じがしますが、

心配ご無用。

恋愛要素もしっかり注入されていますドキドキ

作者の高殿円(たかどの まどか)さんは、

テレビドラマにもなった『トッカン 特別国税徴収官』や

『上流階級 富久丸百貨店外商部』

などの原作者で、業界モノが得意な作家さん。


『コスメの王様』も、

近代化粧品創成期のストーリーとして、

コスメや歴史に興味のある方なら誰でも楽しめる一冊です!!

最後になりましたが、『コスメの王様』のモデル、

中山太一が創業した

クラブコスメチックスの企画展が4月からはじまります。
 

タイトルは、

「モダンガール ―大正・昭和のモダンライフを愉しむ」ドキドキ

下の写真はチラシの一部です。

 



大正末期から昭和初期に登場した

モダンガールを取り上げ、その定義や、

ファッション、化粧などを多角的に紹介する展覧会ですビックリマーク

会期は2022年4月1日から。
会場は大阪の本社1Fにある文化資料室。

 

事前予約制なので、

興味のある方は下の公式URLをご覧くださいラブラブ

https://www.clubcosmetics.co.jp/museum/

 

次回は4月9日頃更新予定。