◆石鹸とマスクは明治時代から日本で使われるようになりました!
こんにちは、山村です!
このところ、東京を中心に、
新型コロナウィルスの感染者が急激に増えています。
でも、東京都や政府の方針は、経済優先
となると、私たちに必要なのは、自衛力です。
そこで今回のWebマガジン連載「キレイの歴史」では、
石鹸やマスク、除菌グッズなど、
感染予防グッズの歴史を振り返ってみました
「キレイの歴史」は今回が最終回。詳しくは下のURLをご覧ください
https://andcosme.net/body-care/post-9655/
いつものように少し補足を。
ヨーロッパでは19世紀初めから、
「衛生(Hygiene)」という言葉がよく用いられるようになります。
18世紀までのヨーロッパでは、
入浴など、身体や頭を洗う行為は、
頭痛や病気を引き起こす原因になると考えられていたのですが、
19世紀になると、公衆衛生の観点から、石鹸で「身体を洗う」ことが、
健康によいと言われるようになったのです。
ただ、この意識が広まり、ヨーロッパで石鹸の使用が一般的になるのは、
19世紀の後半でした。
その衛生思想は、国家の近代化を急ぐ明治時代の日本にも入ってきて、
日本でも、明治初期から国策として石鹸が国産化されました。
しかし、最初は質がよくない石鹸も多く、
洗顔用には、江戸時代から使われていた、
洗い粉やぬか袋を愛用する人も多かったのでした。
ちなみに、花王石鹸は、明治時代から質がいいと評判でした
同じ明治時代には、粉じん予防や、コレラや結核などの感染症対策に、
マスクも使われるようになりました
下の写真は、明治12年に発売されたマスクの広告
初期のマスクは、呼吸器と呼ばれていました。
( 『文明開化 2 広告篇』より 大正14年(1925)発行 国立国会図書館所蔵)
明治12年頃には、
いくつもの会社がマスク(呼吸器)を発売しています。
その中には、
明治11年にヒット商品の化粧水「小町水」を売り出した化粧品会社、
平尾賛平商店の名前もありました
平尾賛平商店の社史には、
明治12年に、悪疫予防マスクとして、
呼吸器(一名レスピラートル)を発売したと記されています。
悪疫とは、たちの悪い流行病(はやりやまい)のこと。
同じ年に平尾賛平商店は、コレラ病除という商品を発売しています。
残念ながら、コレラ病除がどんな商品だったのかは不明ですが、
明治時代の人々も、欧米に学んだ知識をもとに、
コレラなどの流行病と戦ってきたことがわかります。
現在ある石鹸やマスクは、その恩恵とも言えるのです
これらに加えて、平成に種類が一気に増えた除菌グッズなどを活用して、
私たちは、現代の流行病、
新型コロナウィルスからの感染予防をこころがけましょう
次回は7月20日頃更新予定。