昭和末期 懐かしの化粧品 ① カネボウのBIOリップとファンデーション | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆キャンペーンガールは松田聖子さんでした!

 

こんにちは、山村です!

 

来年5月に予定された改元まで、

10か月を切りました。

今でも遠い昭和という時代が、

さらに遠くなりそうです。

 

そこで、今回は、

昭和末期の化粧を振り返って、

バイオという言葉を最初に使った、

エポックメイキングな化粧品をご紹介しますビックリマーク

 

今を去ること34年前の、

昭和59年(1984)2月、
カネボウのブランド、

レディ80(エイティ)から、
BIO リップスティック
が発売されました口紅

 

この商品は、世界ではじめて、

バイオテクノロジー技術を応用して

開発されたシコニン

を配合した口紅でした。

 

シコニンはムラサキ草の根、

紫根(シコン)から抽出した、

赤紫色の植物性色素。

 

奈良時代から、

染料として使われていましたが、

大変希少でした。

 

それを、バイオ技術を用いて、

根からではなく、

植物細胞の培養によって

大量生産したものが、口紅に配合されました。


当時は、化粧品会社が、マスメディアを使って、

大々的なキャンペーンを繰り広げていた時期ビックリマーク

 

資生堂、カネボウ、コーセーなどは、

メーカーの顔として、

時代を代表する人気アイドルや女優を

起用します。

 

この年のレディ80のキャンペーンガールは、

当時人気絶頂だった松田聖子さん


バイオという切り口の新しさと、

聖子ちゃん人気の相乗効果で、

口紅は、爆発的な大ヒットとなりましたラブ

 

そして、BIOシリーズの第二弾として、

同じ年の秋に発売されたのが、
レディ80 BIO パウダーファンデーション!!

 

下の写真は昭和59年秋発売の
「レディ80 BIO パウダーファンデーション」

の試供品です。

 

 

写真ではわかりにくいですが、

この試供品は箱になっていて、

中にサンプルが入っています。

 

箱のサイズは、縦13×横9×高さ1.5センチ。

 

下の写真は、中身を展開したもの。

 

 

中身は、商品の紹介と、聖子ちゃんのフォト。

紙製のフレームの中には、

ファンデーションを手にした彼女の写真が爆  笑

 

今みると、髪の立ち上がり方がすごいですね。

 

ファンデーションのサンプルを開けると、

こんな感じです下矢印

 

 

ちなみに、下の写真がBIOリップ。

秋の新色追加です。

 

 

みたところ、

かなり力を入れて作られた試供品ですね。

 

このBIOシリーズのCMソングも、

もちろん聖子ちゃん。

春のリップ発売時が、「Rock'n Rouge」。

秋のファンデ発売時は、

「ピンクのモーツァルト」でした。

 

BIOリップが大ヒットした翌年の、

昭和60年(1985)、

資生堂がスキンケア商品のBXシリーズに、

バイオヒアルロン酸を配合。

これもエポックメイキングな出来事でした。

 

当時、鶏のとさかから

抽出してつくられていた高価なヒアルロン酸を、

資生堂がバイオ技術で、

大量生産する道を開いたといえます。

 

昭和末期は、

化粧品にバイオブームの波が

押し寄せてきた時代!!

 

現在、ヒアルロン酸が

化粧品にあたりまえのように使われているのは、

この時代の技術革新によるものなのです。

 

次回は、7月11日更新予定。