「ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち」を見てきました! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆18世紀前半から20世紀までの「パリジェンヌ」を紹介!

 

こんにちは、山村です!


「至上の印象派 ビュールレ・コレクション」に続いて、

世田谷美術館で開催中の

「ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち」

を鑑賞してきました。

 

世田谷美術館は、世田谷区の砧(きぬた)公園のなかにある、

自然豊かな美術館。

公園を通って美術館に行くまでにも、

たくさんの木々が茂っていて、森林浴気分です。

 

 

 

 

この展覧会は、昨年、名古屋ボストン美術館で開催された企画展の巡回展ビックリマーク

 

展覧会のタイトル「パリジェンヌ」は、

日本語にすると「パリの女性」

でも、「パリジェンヌ」のイメージは、単純にそれだけではありません。

 

『パリジェンヌに学ぶ○○』『パリジェンヌ流○○』といった本が書店に並んでいるように、

今でも、「パリジェンヌ」は、女性にとって、あこがれの存在で、

それ自体がブランドなのです!!

 

企画展は、18世紀のパリに花開いた貴族のサロン文化からはじまり、

女性が表舞台で活躍するようになる20世紀までの、

さまざまな立場の「パリジェンヌ」像とファッションを紹介しています。

 

その対象は上流階級だけでなく、

庶民の女性や、舞台女優、モデル、女流芸術家など多岐にわたります。

 

そして、19世紀後半には、

フランスの芸術やファッションを体現する「パリジェンヌ」が、

世界中の女性たちがあこがれるアイコンとして確立したのですドキドキ

 

123点の作品からなる展覧会は、

大きく5つのパートに分かれていて、

絵画の紹介だけでなく、

当時の女性の生き方にも言及していましたビックリマーク

 

マネやルノワールなど有名作家の油絵や、版画、写真などのほかに、

ティーセット、ドレス、ファッション小物も少し展示されていたのですが、

時代的にも内容的にも幅が広いだけに、

見ていて総花的で、個人的には物足りない感じがしました。

 

とはいえ、ファッションや化粧、

ヘアスタイルに関して言えば、

時代による違いがわかります!!

 

たとえば、下の写真は展覧会チラシ(左)と、図録(右 1800円)

 

 

右側の図録で見えているのは、

ヨーロッパの結髪史上、

もっとも髪が高く結われた

1770年代後半のファッション・プレートです!!

 

それが100年経った1887年頃には、

チラシ右側の赤いドレスの女性、

「チャールズ・E. インチ夫人」の肖像画のように、

同じアップスタイルでも、髪のボリュームがかなり小さくなっています。

 

会場には、「パリジェンヌ なりきりフォトスポット」が2か所ありました。

 

下の写真は、高く結い上げた右上のヘアスタイルと同時代の、1770年頃のドレス。

髪にボリュームがあるので、

ドレスも髪に負けないボリューム感を出しているのです。

 

もちろん、実物は別に、会場内に展示されていますビックリマーク

 

 

もうひとつのフォトスポットは、

約100年後の1870年頃。

 

1770年代のような横広のドレスから、

横幅は狭く、かわりに後ろがふくらんだ形へと変わっています。

さすがに、なりきって顔入りの写真を撮る度胸は、私にはありませんでした爆  笑

 

 

この展覧会、東京は4月1日まで。

そのあと、4月11日から、

広島県立美術館で巡回展があります。

 

「パリジェンヌ」について知りたい方や、

フランスのファッション史、女性史に興味のある方におススメです。

 

美術館を出て公園を散策していると、紅白の梅の花が咲いていました。

春は、すぐそこまで来ています音譜

 

 

 

 

次回は、3月7日更新予定。