◆酒類を製造するメーカーが化粧品ブランドを持つことはよくあります!
こんにちは、山村です!
6月14日に、大手食品メーカーのキリンが、
化粧品や健康食品の通販で知られる
ファンケルを買収するとの発表がありました。
ファンケルの2024年3月期の
化粧品業界の売上高では5位に位置しています。
無添加化粧品という切り口で
多くのファンを持っていて、
ファンケルの名がよく知られていますが、
アテニアもファンケルの商品です。
この買収の話をニュースで見ても、
それほど驚きはありませんでした。
というのも、キリンとファンケルは、
2019年にすでに資本業務提携をして、
ファンケルはキリンに株式を33%
譲渡しているからです。
2021年には、ファンケルの
エイジングコスメブランド、
「ビューティブーケ」のリニューアルに際して、
共同開発した「白麹ステロール」が
配合されています。
また、2022年1月からは、
FANCLの体内効率設計と、
KIRINのプラズマ乳酸菌を活用した
機能性表示食品「免疫サポート」シリーズを
発売するなど、
両者のシナジー効果は、
商品の共同開発で発揮されてきました。
キリンといえば、売上高が2兆円を超える大企業。
いわずとしれたキリンビールなどの
アルコール飲料が主力ですが、
「生茶」「午後の紅茶」といったノンアルコール飲料、
医薬品なども製造販売しています。
しかし、美容の分野は未開拓。
ファンケルが買収できるなら、
美容の領域にも進出することになり、
多角化の幅がさらに広がります。
キリンもそうですが、一般に、
お酒を造る会社には、
発酵やバイオ関連の技術の蓄積があり、
それを薬や化粧品に応用して
商品化することがよくあります。
酵母入りコスメは典型的な例
たとえばサントリーウェルネスの
酵母スキンケア「エファージュ」には、
2種類の酵母の他、
赤ワイン白樺ポリフェノールが配合されています
また、日本酒メーカーでも
化粧品を販売するケースがけっこうあり、
「菊正宗」は、2種類の発酵保湿成分が配合された
スキンケア「KIKUCO(きくこ)」をはじめ、
「日本酒の化粧水」「日本酒の美容液」、
「米と発酵」シリーズなどを発売しています。
同様に「白鶴」は、
「うるおい日本酒コスメ」ブランドがあり、
「酒粕&泥洗顔」「酒粕パック」などの
スキンケア商品を販売。
また、海外でも知られている「獺祭」は、
製造過程で出る酒粕から抽出した
獺祭酒粕エキス配合の化粧水
「獺祭オイル イン モイスチャライジング
ローション」を販売中
探せばまだまだありますが、
このように、お酒と化粧品は親和性が高いのです。
キリンは、ファンケルの株式を
TOB(公開買い付け)で追加所得して、
年内に完全子会社化する方針なので、
まだ最終決定ではないですが、
この買収は、どちらにとっても
メリットのある話ではないかと思います。
次回は6月30日頃更新予定。