化粧の日本史ブログ by Yamamura

化粧の日本史ブログ by Yamamura

昔の化粧から今の化粧まで、
化粧と社会、化粧と文化に関する
さまざまな話題をとりあげていきます。









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2022年6月15日放映、NHK『歴史探偵』の北条政子」に情報提供。

鎌倉時代の化粧について情報提供を行い、クレジット入りで紹介されました。


◆『化粧の日本史 美意識の移りかわり』が4刷になりました。

2021年4月1日付で、『化粧の日本史』が4刷が出版されました。


◆NHKラジオ第二「私の日本語辞典」に出演しました。

好評につき2021年8月に再放送されました!みなさまのおかげです。

2020年12月5日(土)、12日、19日、26日と4回にわたって、

NHKラジオ第二「私の日本語辞典」(15:15~45)に出演しました。

テーマは「ことばでたどる化粧の文化史」。

古代から現代までの化粧の変遷を、ことばに注目しつつ、時代背景を含めて解説しています。

◆『化粧の日本史』の韓国語版が出版されました。

2019年6月に『化粧の日本史 美意識の移りかわり』の韓国語版が出版されました。





◆酒類を製造するメーカーが化粧品ブランドを持つことはよくあります!

 

こんにちは、山村です!

 

6月14日に、大手食品メーカーのキリンが、

化粧品や健康食品の通販で知られる

ファンケルを買収するとの発表がありました。

 

ファンケルの2024年3月期の

売上高は約1100億円で、

化粧品業界の売上高では5位に位置しています。

 

無添加化粧品という切り口で

多くのファンを持っていて、

ファンケルの名がよく知られていますが、

アテニアもファンケルの商品です。

 

この買収の話をニュースで見ても、

それほど驚きはありませんでした。

 

というのも、キリンとファンケルは、

2019年にすでに資本業務提携をして、

ファンケルはキリンに株式を33%

譲渡しているからです。

 

2021年には、ファンケルの

エイジングコスメブランド、

「ビューティブーケ」のリニューアルに際して、

共同開発した「白麹ステロール」

配合されています。

 

 

 

また、2022年1月からは、

FANCLの体内効率設計と、

KIRINのプラズマ乳酸菌を活用した

機能性表示食品「免疫サポート」シリーズを

発売するなど、

両者のシナジー効果は、

商品の共同開発で発揮されてきました。

 

 

キリンといえば、売上高が2兆円を超える大企業。

いわずとしれたキリンビールなどの

アルコール飲料が主力ですが、

「生茶」「午後の紅茶」といったノンアルコール飲料、

医薬品なども製造販売しています。

 

しかし、美容の分野は未開拓。

ファンケルが買収できるなら、

美容の領域にも進出することになり、

多角化の幅がさらに広がります。

 

キリンもそうですが、一般に、

お酒を造る会社には、

発酵やバイオ関連の技術の蓄積があり、

それを薬や化粧品に応用して

商品化することがよくあります。

 

酵母入りコスメは典型的な例爆  笑

 

たとえばサントリーウェルネス

酵母スキンケア「エファージュ」には、

2種類の酵母の他、

赤ワイン白樺ポリフェノールが配合されていますビックリマーク

 

 

また、日本酒メーカーでも

化粧品を販売するケースがけっこうあり、

「菊正宗」は、2種類の発酵保湿成分が配合された

スキンケア「KIKUCO(きくこ)」をはじめ、

「日本酒の化粧水」「日本酒の美容液」、

「米と発酵」シリーズなどを発売しています。

 

同様に「白鶴」は、

「うるおい日本酒コスメ」ブランドがあり、

 
 

「酒粕&泥洗顔」「酒粕パック」などの

スキンケア商品を販売。

 

 

また、海外でも知られている「獺祭」は、

製造過程で出る酒粕から抽出した

獺祭酒粕エキス配合の化粧水

「獺祭オイル イン モイスチャライジング 

ローション」を販売中!!

 

探せばまだまだありますが、

このように、お酒と化粧品は親和性が高いのです。

 

キリンは、ファンケルの株式を

TOB(公開買い付け)で追加所得して、

年内に完全子会社化する方針なので、

まだ最終決定ではないですが、

この買収は、どちらにとっても

メリットのある話ではないかと思います。

 

次回は6月30日頃更新予定。