岡倉天心の漢詩。 | 山もっティの独り言。

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「被災地と共にある」

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今日のお昼に龍馬像をイジったの

で、今日も龍馬像の写メを貼って

も良かったのですが、今日は漢詩

です。

日本美術院の「画家」達の展覧会

なのに、ほとんどは平櫛田中作の

岡倉天心をモデルとした木彫ばか

りを見ていた、と以前の記事に書

きましたが、その時に展示されて

いた漢詩です。

何かいいなと、最近のお気に入り

になってます(笑)

原文と、展示会場にあった書き下

しと大意を書いてみます。

仰天自有初

観物竟無吾

星気揺秋剣

氷心裂玉壺

碧龕居士

(書き下し)

天を仰げば自ずから初め有り

物に観ずれば竟に吾無し

星気秋剣を揺るがし

氷心玉壺を裂く

碧龕(へきがん)居士


(大意)


天を仰いでその天上の果てに世界

の始まりを思うように、心眼を以

て物に対峙すれば、ついに自我は

消えて行く。

星の凛々とした気配は秋の剣※を

揺さぶっている。

氷心(清く澄んだ心)は、玉壺をも

裂く。

木下長宏著「岡倉天心」

ミネルヴァ書房、平成17年

※は以下の説明あり

「秋の剣」とは風に揺れるススキ

の穂を指すか。剣のように研ぎ澄

まされた心のことでもある。

ちなみに、山もっティがこの漢詩

をネットで検索した際に、唐代の

漢詩に「氷心」「玉壺」を含む物

があるようで、岡倉天心が漢詩の

教養を持ち、この漢詩にそれらの

文言を用いたのでしょう。

秋の夜のススキと宇宙の始まりや

自らの清く澄んだ心を見事に描き

切っている、何とも壮大な漢詩だ

と思います。

冒頭の画像は、ネットで見つけて

保存した物でした。パソコン画面

を写メで撮影したら妙な縞模様が

出たので、今回は保存した画像を

そのまま使用させていただきまし

た。