竜馬がゆく… | 山もっティの独り言。

山もっティの独り言。

「被災地と共にある」

司馬遼太郎の「竜馬がゆく」文庫本の第1巻を昨夜読み終えました。
十数年前に読んだハズなんですが、おおまかな流れと断片的なくだりをかすかに覚えている程度で、新鮮な気持ちで読んでおります(笑)
十数年前に読んだ時には、維新回天の大きなウネリ、全国を駆け回る竜馬の活躍に度肝を抜かれ、印象に残っていましたが、23歳ぐらいで道場でメキメキと力をつけながらも、政治にはまだまだ疎い竜馬の姿というのも愛らしく、読んでいて楽しいモノです(笑)
ただ、十数年前には「燃えよ剣」の土方歳三の方が親近感があり、「竜馬がゆく」は当時の教え子に貸し、えらく感動したと聞いてそのままあげてしまいました。だから、今回はまた書店で買って読んでいます。
古本屋でもよくね?と思われるかもしれませんが、司馬遼太郎の作品はずっと書店で買った文庫本で揃えていて、今さら古本を混ぜたくないし、ハードカバーのも統一感が無くなるから買わないのであります。
司馬遼太郎というと、学者めいた要素が大きく取り上げられ、確かに学者らしい見識の持ち主でもありますが、やはり小説家としての力量もヒシヒシと感じます。
ヒシヒシと書いたので、もう1つヒシを追加して、三菱の創始者の岩崎弥太郎について書きます。文庫本1巻に登場する若かりし弥太郎はインパクト有り過ぎ(笑)
他の竜馬作品だと、竜馬以外の登場人物が竜馬の引き立て役にされてしまうパターンが多いが、司馬作品だと弥太郎しかり、武市半平太・桂小五郎らの個性がしっかり描き出される。
「竜馬がゆく」を書くために司馬遼太郎が神田の古本屋で幕末関係の資料を買い漁り、しばらく神田から幕末関係の本が消えたという話も聞いたコトがありますが、こういう個性や人柄を知るための膨大な資料なのだと思います。
竜馬の粘土頭像を作っている山もっティも、世間で作られたイメージの竜馬ではなく、あくまでも写真に忠実な竜馬の顔を作ろうとしています。「竜馬がゆく」を読みつつ、これまで各地で見た竜馬の遺品や書簡を思い浮かべながら、粘土を積み重ねてゆけば、より良い作品になりそうな気がするので、そうしています。