このイラストは、ISの兵士が、歴史の時計の針を逆回転させようと踏ん張っている図である。

つまり、世界貿易センタービル破壊9.11の脅威を世界から除くためアルカイダを完全に制圧して、アフガニスタンを民主共和国にする、その目的を米国は達成した。そして2004年にカルザイを大統領にした。

これでアフガニスタンも西側諸国の仲間になり、教育も福祉も資本主義国の道を歩むことになると思われた。


何が、間違いだったのか?


現在のガニ大統領は、タリバンの侵攻とともに、多額の現金を携えて国外逃亡を果たしたという。

これが象徴である。米国の統治機構では、権力者が富裕層と結び付くような必然性を持つ。

経済成長を目指して、貧困を無くし、教育の機会均等を実現して、豊かな社会を実現するはずだった。

しかし、途中で富裕層から得た利益で豊かになるのは、権力者のみ。

底辺までは届かない!

事実、米国でも貧困はある。イスラム過激派を産んだ貧困や富の偏在、不公正の土壌はそのままにしている。


米国が民主化に成功したとするイラクも、豊かさを享受していない。2013年以来、経済成長が低下している。

米国を手本にして、成功を収めることが幻想となりつつある。


それに代わるシステム、中国やロシア、いわゆる、東側諸国の方が成長率が高くなってきた。

アフガニスタンも米国から、中国への転換とも見えなくもない。

米国の歴史上の役割の終わりなのかもしれません。


アルカイダは、中国とロシアを背景に米国色を排除して行くに違いない。

けれども、民主主義、特に議会制民主主義の排除となると、世界的には影響が大き過ぎる。

加えて、インターネットの情報は、誹謗中傷を拡大して行く。

議会制民主主義の曲がり角に今はある。


米国が発明した技術で、米国色の強い国家が衰退して行く運命は、日本も静観しているわけにはいかない。


アフガニスタンの問題は、見逃すことが出来ない様相です!