イートンの校舎はまるでハリー・ポッター

イギリス🇬🇧紳士を育てきました。


菜根譚 前集三一 

   富貴な人聡明な人は控えめに 

 財産と名誉のある人は、寛容な人物が多いように見えるが、実際は、恨み、妬み、嫌味が多い人物ばかりである。こうした人は、物質的には恵まれていても、精神的には、貧しい人である。これらの人には、人生の福は訪れない。


 才知に優れた人は、道理に明るく控えめな人物が多いように見えが、実際は落ち着きが無く才能を引けらかし自慢する人物ばかりである。こうした人は、知識教育はあっても精神的な教養の無い人である。これらの人は、必ずどこかで大失敗をするものである。    


   

一.「売家と唐様で書く代目」「三代続く長者無し
金持ちの家は、贅沢や我儘が常体になりがちである。二代目は、努力する習慣を身につけ難く、創業者の父親と比較して、凡蔵(ぼんくら)と思われがちになる。この状況を克服することが、いつの世も名家の課題となる。その要諦は、子女の教育であろう。

二. イートン校

一四四〇年イングランド王ヘンリー四世創設。ロンドン郊外にある男子全寮制パブリック・スクール一三歳から一八歳までの中高一貫教育。一学年二五〇人。教師が寮長となり、いくつかのハウスと言う寮に別れて住む。指導的立場の生徒集団、成績優秀者集団など、社会での価値をチョッキのボタンなどで区別する。

 イートンゲームとして、サッカー、ラグビーが重要視される。寮生の縦の助け合い、ゲームの横の助け合いで、人間関係の相互扶助の大切さを身につけるメソッドを特徴とする。


 学費は年間3万ポンド(500万円)、制服は、700ポンド。見た目にも配慮する。その他経費から、貴族富裕層の子供以外は、入学困難。


 大英帝国が、ワーテルローの戦いでナポレオン軍を破った指揮官ウェリントン公爵ウエルズリーは、

 「この戦いは、イートン校の運動場で既に勝ち取られていた。」

 と学校の教育成果を自慢した。しかし、現実のウエルズリーは、学費滞納と不熱心さで退校させられていた。過去一九人の英国首相を輩出。

日本もエリート教育がなければ、高い見識や優れた教養を継承する名門名家を継続させることが出来ない。


三.日本旧制高等学校

国民道徳の充実と高等教育の完成を目的とした(一九一八年高等学校令)。旧制高校の定員と帝国大学の定員は一対一であり、高等学校を卒業しさえすれば、どこかの帝大に無試験で入学できた。

 「伊豆の踊子」に登場する一高生に描写されたように旧制高校に入学した段階で社会的にエリートとみなされた。

  また、余裕の時間を持ち得た。旧制高校入学(一五歳)から、帝大卒業まで(二二歳)の七年間は、知的好奇心や社会活動の高い教養を養うことが出来た。

  例えば、正岡子規(一八六七年生俳人)、一高帝大哲学から国文へ、秋山真之(一八六八年生海軍中将、日本海開戦の指揮官、東郷の右腕、一高では子規と同級。しいため志願して海軍へ海軍兵学校一七期生。

 日露戦争の勝利は、旧制高校の存在にあるかも。


現在の東京大学

昔は、これが旧制第一高等学校であった。