菜根譚 前集二六 


    後悔を思い迷心を捨てる 


食事を十分にした後、腹いっぱいの状態で、料理の巧拙を問うことは、難しいものである。

 また、色欲を満たした直後は、全く欲情は無いに等しい。単純な肉体的欲望は、満たせば興味関心が激減してしまう。

 こう見れば、欲に駆られた前と、欲を満たした後では、人は全く違う考えになることが分かる。このことを忘れず、ことを終えた後の心で、落ち着いた本心をもって、物事を判断できれば、道を誤ることがなくなる。



一. 欲望を否定してはいない。
 否定しているのは、欲望に駆られて無軌道な人生を送ってはならないこと。人が人生を誤るのは、いつも欲望という悪魔の指示による。欲を満たした後だけ、この悪魔は、人間から離れる。この離れた隙に、人間自分自身で物事を解釈し判断すれば、道を誤ることは無い。

二.欲望への依存、なぜ依存するのか。

依存症を作り出すβエンドルフィン、脳内麻薬。快感時に放出される。マラソンの「ランナーズハイ」「性行為」など。モルヒネの6.5倍効果。

ストレスが条件。マラソンで苦しい状態が一定時間続くと、脳内でストレス軽減のためエンドルフィンが分泌される。パチンコで大当たりするなどギャンブルでも分泌。負けるか勝つかの不安状態から、勝ったとの達成感が分泌を呼ぶ。セックスは、欲情すると抑圧が掛りストレスとなり、同様の結果となる。

エンドルフィンは、アミノ酸で、大豆、牛乳、チーズ、卵、肉などタンパク質から生成。ドーパミンの作用によりエンドルフィンが分泌。

三. ギャンブル依存者は、ドーパミンとノルアドレナリンが、大量に放出。勝つと興奮状態で達成感に溢れる。ノルアドレナリンは、ストレス過剰になると、不足する物質。ゼロになると、意欲、判断力がなくなり廃人となる。この物質は、アドレナリンと同じように、闘争的、活動的、意欲的にさせる。また心拍数があがる。ノルアドレナリンは、報酬があれば行動を続ける意欲物質。この二つの物質の分泌量がいつも高い状態が依存症となる。つまり抑制が効かなくなる状態。依存者と正常者との差は、セロトニンが分泌されるか否かである。依存者は、セロとニン血中濃度が低い。

四. 抑制物質は、セロトニンである。
 セロトニンは、精神を安定させる幸せ物質といわれる。快感と報酬依存の調整役となる。

セロトニンが増えると、安眠できてストレスに強くなる、感情コントロール、の効果がある。

セロトニンの増加法、「早寝早起き」「太陽光を浴びる」「リズミカルな運動」「食事はよく噛む」「グルーミングスキンシップ(スキンシップ)」「トリプトファン含有物を食べる(エゾコウギ)」「規則正しい生活習慣」「号泣する」

含む食物、かつお、マグロ、豆腐、豆乳、納豆、味噌、チーズ、ヨーグルト、しょうが、にんにくなど。

夜はメラトニンで眠り、陽に当たる昼はセロトニンで活動する。メリハリのある生活が精神安定を築く。

5.あらゆる依存は、セロトニン不足が原因である。ゲームに溺れる、オナニーに耽溺するなど、受験生が夜更かしして生活リズムを崩したときに陥る例が多い。早寝早起き朝御飯は、丈夫な心身を作る。


五. 恋愛のメカニズム。開口健の随筆より

「人間には果てしない欲望がある。生きるための食欲が何より大きい。次に性欲、睡眠欲かと思っていた。文明が進むと、景色は変わる。命がけで好きだと思う妙麗の女性と、美しい夕日に輝く湖を眺めながら、芳醇なワインをたらし、よく吟味したキャビアを下に乗せつつ、女性の瞳に映る世の中の如何に清らかなことかとしばし酔いしれる。」


「そして、腹も満足仕切ったころ、外の漆黒の色を確認しながら、おもむろにベットに入る。すべてを尽くして、世界中の満足を手に入れた上で、死んでも仕方が無いといわんばかりの一瞬を味わい、果てて行く中に、深い眠りへと落ちてゆく、その眠りを求めて、男はひたすら働き、ひたすら闘争し、命を燃やすのである。幸福は、眠ることが終局にある。」(グラスの周りを地球が回る)




自由奔放

生きたいまま

好きなように、生きた。


羨ましい男


いいネー