菜根譚前集14

平凡に生きる人は、、人生の達人



菜根譚 前集一四 


平凡な生き方の中に道が備わる 



平凡な人間に生まれ、何の業績い人でも自己の欲がなければ、高尚で偉大な業績を挙げて、なお欲得に駆られた人間より、はるかに一流の人物と言える。

学問の世界で、何ら学識に貢献していない人でも、純真な気持ちを備えていれば、名誉栄達を求めて走り、いつも煩わしい雑事を抱えている人より、聖人の域に達しているといえる。



、平凡の非凡、平凡は努力の源


・凡事徹底、平凡なことを毎日平凡な気持ちで実行することが、即ち、非凡なのである。(アンドレジイド)


 ・継続する力、つまりルーテイーン毎日やるこ

  とを大切に。


・非凡な子供は、練習しなくとも上手に野球をする。下手な子供は、練習をしなければ上手な子供のレベルに上がらない。やがて下手な子供が、練習のおかげで上手な子供よりうまくなる。高校野球の監督


 ・「小さなことの積み重ねが、とんでもない所

  へ行く道だった。」イチロー


 ・「千回をもって、鍛とし、万回をもって、錬

  とす」宮本武蔵


二、平凡は無名の利あり、名もなき花


「控え目に生くる幸せ根深汁」、藤波孝生元官房長官、リクルート事件受託収賄罪有罪、情の政治家。お伊勢様おかげ横丁で、饅頭屋「藤屋窓月堂」を経営早稲田卒業後毎朝四時から、餡子を練った町内の推薦で県会議員になる。利休饅頭は、今も売れ筋。政界で目立たないことの大事さを感じさせた人物。中曽根内閣官房長官。「したたかと、言われて久し、栗を剥く。」中曽根康弘作。


平凡な人物にあえて焦点を当てるのが藤沢周平作品。下級武士の哀歓を描く。純な正義を持ちながらも、世の不条理に敗者となりゆく名もなき武士に、現代人は多く共感を抱く。サラリーマン、地方公務員など、心象風景が一致。上昇志向を貴ぶ風潮に、一服の清涼剤となる。 


良寛、自ら質素な生活を送り、平易な言葉で説法をし、子どもの心こそ、仏の心として常に子どもと遊ぶ。子供にせがまれて凧によく「天上大風」と書いた。辞世の句「散る桜、残る桜も散る桜」平凡に生きる必要を説いた人生。


三、非凡から平凡への困難

 大英帝国の国王に成れるならなりたい人は大勢いる。しかし国王を辞めたい人物はそうはいない。国王エドワード八世は自ら国王を辞めてしまった。辞めたので弟ジョージ六世が王位に着き、その娘エリザベス女王となった。一九三一年米国人、ウオリス・シンプソンという名の離婚歴ある人妻と熱烈な恋愛関係となる。国王は、英国国教会の最高司祭、国教では、自分も相手も離婚厳禁。そこで、エドワード八世は止む無く国王を退任して、ウオリスと結婚した。「王冠をかけた恋」である。平凡でなければできないことを世界に示してくれた。  


 以上



伊勢神宮のおかげ横丁のおまんじゅう屋さんの主人から、内閣官房長官になった藤波孝生


英国エドワード8世