菜根譚前集10.
ヒ
貧すれど窮せず、達すれど驕らず
失敗から学んだ者だけが成功を収める
本文
菜根譚 前集一〇
好調のときも驕らず失意のときもあきらめず
「人の評価の高い時には、その人に実に禍が多い。故に、うまく行って満足している時には、初心にかえって元に戻ることにすべきである。また、物事に失敗した時には、かえって後に成功するものである。従って、うまく行かない時でも、たやすく投げ出してはならない。」
1、 「好事魔多し。」「月に叢雲、花に風」
妬み恨みは、好事に生まれる。
窮状で憐憫を受けるときは助けがある。
この差は、意外に大きい。地位を得た時は、得ていないとき以上に仲間を大切にしなければばらない。
財産を得た時は、得た以上に、周りに気遣いをしなければならない。
できるものではない。
2、 米国1929年「ハインリッヒの法則」(1:29:300)
①1.重大な一つの失敗は、②29の軽微な失敗の放置から生れ、
③29の軽微な失敗は、300のヒヤリの危険から生まれる
日本の失敗研究分野は、この法則を原点にし
ている。
3、 失敗学 畑村洋太郎 《失敗をしないために、創造のらせんを上昇するために》箇所引用
・挑戦と失敗、許される失敗は創造に必要なもの。
許されない失敗は、同じ失敗を繰り返すもの。
・失敗の原因は多重になっている。技術的、心理的、経済的。
・失敗知識の伝達を。知識の途絶で失敗が繰り返される。
・失敗を防げないのは、防がないから。予兆を無視し、対策を放置してゆく。
・局所最適が全体最悪を生む。
・管理を強化すると形骸化し失敗を隠す。
・原因究明と責任追及は分離すべき。
4、 失敗の本質
野中郁次郎ほか「日本軍の組織論的研究」。(斉藤健著「転落の歴史に何を見るか」参照
「ノモンハン、ミッドウェイ、沖縄などから、9つの失敗の本質をえぐりだす。」
《戦略上の失敗》
①曖昧な戦略目的、
②短期決戦の戦略思考、
③主観的で帰納的戦略策定~空気の支配、
④狭く進化なき戦略、
⑤アンバランスな戦闘技術
《組織上の失敗》
①人的ネットワーク偏重、
②属人的組織の統合、
③学習を軽視した組織、
④プロセスや動機を重視した評価をした
交通事故で死亡する一人に対して
おそらく、29のスピード違反、駐車違反、人身事故などがある。
それには、300のあ、いけない的なミスがある。
大きな失敗をしないためには、小さな失敗をしないことに注力しなければなりません。
大半の人達は、小さな失敗なんだから、大きな失敗はしないのだ、とタカをくくる要因にしてしまいます。
発想を真逆にしなければなりません。
日本は、戦争で300万人の人達が犠牲になって他界しました。
日本の領土は、間接的に満州国、朝鮮半島、台湾、樺太、千島列島に及んでいました。
その人口は、約五億人。
国際的な活動もかなり大きなものでした。