大洪水には対応できない構造になっていた。

それは、地域の方々の熱心な防災議論の末に出た結論


愛媛県大洲市肱川



毎秒200トンの差がある。

下流の河川堤防がまだ弱く、大量の水を放流するには、危険を感じたからであります。


鹿野川ダム


その上流の野村ダム

ダムの貯水量、貯水力をどう使うか?大変重い判断です。


今日の高知新聞朝刊の記事には、ダム操作の職員の現場実況の詳細が書かれています。
放流。量は、時期は、トン数は、悩んだ末に、1.6倍。

河川は、自然の力があります。普段は、人間と共生して良い関係を保ちます。
昔は、いざ豪雨になれば、ダムではなく広大な遊水地帯を設けていました。堤防は、わざと遊水地帯側を低くしたのです。
そこの農家は、氾濫承知で耕作していました。

今は、堤防を高く、農地から宅地へ。
豪雨は、農作物被害ではなく、住民の方々の生命にかかわる重大な事になってしまいました。
防災、国土強靱化といいましても、自然の力に勝てる、河川計画を全て実現する予算は、ありません。
限界を知り、ハード、ソフトの対策が必要です。
もし、ダムの貯水量を超える豪雨があるなら、避難訓練をする。その回数を増やすなかで、夏はクーラー、冬は、ストーブなど、生活支援体制を整えることが、何より大事になります。

強いことを優先する時代から、優しいことを優先する時代へと変化しなければなりません。

決して、コンクリートから人へ、などと間違えた政治にだけはしてはなりません。