【サハラマラソン挑戦記#11 レース前日】
4月6日。
ワルザザード空港に着き、すぐにバスに乗り込んで、
そこから走ること5時間…。キャンプ地へ向かいました。
途中、ランチボックスを渡されてバスの外で食べたのですが、
こう書くと、遠足気分と思われるかもしれません。
でも実際は、まるで違っていました。
すでにここからキャンプ生活は始まっていたのです。
トイレは大地で。
バスに乗っている間にも「自分たちがサハラマラソンを走る」という現実をあらためて認識させられていきます。
そして、無事にキャンプ地へ着くと、
今度は国籍別に配置されているテントに到着順に割り振られていきます。
僕は、No46のテントでした。
着いたときには、まだ誰もいなかったのですが、
最終的にNo46のテントは5人でシェアすることに。
一緒にきた仲間2人と、黒沢さんという75歳の男性、
そして、日本語を話すトムというアメリカ人です。
黒沢さんは後で分かるのですが、75歳で12回目のサハラマラソンの大先輩。お歳も聞くまでは年齢よりも全然若いと思っていたのでご年齢を聞いてビックリ‼️
日本の高齢者の皆さんが羨ましく思うんじゃないかなってぐらいお元気な方でした。
おじいさんだなんて一瞬も思わなかった
トムは、日本人の奥さんと結婚されて今日本に住んでいるアメリカ人。
誰にも明るく優しい人柄。冗談も好きで慣れてきたらジョークを言い合う仲になりました
最初黒沢さんとどんなコンビなのだろうと聞いてみたら、元々湘南で出会ったランニング仲間で、一緒に過去に一度サハラマラソンも出てるとのこと
トムは今回2回目のサハラマラソン。
これからレースが終わるまで一緒に過ごす仲間です。
この日の夕食は、主催者が用意したケータリングご飯を食べ、
日本から持ってきた寝袋に入って寝たのですが、
このテントというのが、本当に幌が木の棒で支えられているシンプルなもので、地面には絨毯がひいてあるだけ。
石がゴロゴロと落ちているので、マットを敷かないと痛くて眠れません。
とくにこの夜はとても寒く、さらに風も強かったため
持ってきたダウン上下を着ても、寒くて何度も目が覚めてしまいました。
砂漠の夜は、こんなに寒くて寝れないものなのか…。
それでも、とにかく寝ることでした。さもなくば回復できない…。
どんな環境でも寝られるようにならなければ、レースはクリアできない…。
強く風が吹く夜中の砂漠に敷かれた寝袋のなか、
ガタガタと体を震わせながら、そんなことを思ったのでした。
<続く>