4.県営住宅における今後の取組についてお伺いします。
 
 県では、住宅政策について、県民目線に立った課題の整理及び今後の施策展開の方針をとりまとめた「奈良県住生活ビジョン」を平成24年に策定されました。

 その中で重点課題の一つとして、公営住宅の役割を「時代のニーズにあった公営住宅の活用を図る」と位置づけ、引き続き「住宅確保要配慮者への住宅供給を確保する」との方針を掲げ、居住者が安全で安心して暮らすことの出来る住環境の整備の推進に取り組むこととしています。
 
 このような中、県営住宅は本年度4月現在、合計45団地8343住戸で、私の地元であります橿原市周辺も含め県内各地域に立地しており、管理方法は、県の直轄管理や民間活力を導入した指定管理者による管理などで行われています。とりわけ民間事業者による管理は、入居者へのサービスが向上しているとの声もよく耳にします。

 しかし、建設年度別でみますと、昭和30年代から昭和50年代にかけて建設されたものが非常に多く、昭和55年以前に建設された戸数が全体の約8割を占めるほか、建物の構造別でも、木造・簡易耐火構造平屋建てや簡易耐火二階建てなど、耐用年限が30年から45年となっているものが全体の約3割となっており、老朽化の進展が著しいようです。

 申し上げました通り、県営住宅においてはこのような現状がありますが、私は、住宅に困窮されている低所得者世帯への的確な公的賃貸住宅の供給の必要性は今後、更に高まるこそすれ、低くなることはないと考えます。また、公的賃貸住宅には近い将来、多くの高齢者がお住みになられると予測しており、これらの居住者が安全で安心に暮らすための更なる住環境の整備が重要になると考えています。

そこで、まちづくり推進局長にお伺いします。

 このような公的賃貸住宅としての役割を担う県営住宅の供給や、出来る限り長く県営住宅を使い続けられるようにするための取組について、現在どのような課題があり、今後どのように取り組もうとしているのかお伺いします。


  
  (まちづくり推進局長答弁)

 議員もお述べ頂きましたが、住宅に困窮されている低所得者対策の一翼を担う県営住宅の供給は、引き続き必要と考えておりまして、「奈良県住生活ビジョン」においても、その旨の位置づけを行っているところでございます。

 しかしながら、現在の少子・高齢化の大きな流れは、特に県営住宅などの公的賃貸住宅におきまして顕著に現れておりまして、このような高齢化した入居者であっても安全で安心に暮らせる住環境の確保が課題であるとの認識をしております。

 このため、今後実施する県営住宅の建替えにあたりましては、子育て世帯やしても活用されるよう、まちづくりの視点に立った取り組みが必要と考えて高齢者等に必要なサービス施設の誘致を併せて検討するなど、地域の拠点といるところでございます。

 次に、県営住宅を長く使い続けるための取り組みについてでございますが、これまで県では建物の老朽化対策として、外壁や屋上の改修工事、給水設備の更新工事などについて計画的に取り組んできました。そのほか、入居者が安心して暮らして頂けるような取り組みといたしまして共用階段などへ手すりの設置などを実施して参りました。

  しかしながら、例えば、5階建ての住宅にエレベーターが無いような現状は、今後さらに高齢化する住宅困窮者のセーフティネットの一翼を担うべき住宅といたしましては、その役割を果たすためには、まだまだ多くの課題があると考えているところでございます。

 このため、今後は、高齢者をはじめとした様々な方の居住ニーズに適切に応えられますよう、中層住宅におけるエレベーター設置などの検討を行うなど、時代に合った公的賃貸住宅としての役割を長く果たし続けられるような取り組みを行って参りたいと考えております。



  (要 望)

県営住宅については、先ほど45団地と言いましたが、49団地あります。そのうちの22団地は、老朽化しているため、一部は募集を停止しております。そして、2団地は吉野町と宇陀市に直轄で管理していただいている住宅であり、17団地は指定管理で管理されています。

 この指定管理者に指定管理料を払っているのですが、小規模の補修は指定管理者が行っており、大規模な建て替え等は、やはり、県直轄の予算化をしていかなくてはなりません。その辺で地元や入居者の要望が通らない場合があるようです。やはり、指定管理者の方々に、小規模の修理に対してはきめ細やかに対応していただくようにお願いして、また、今後、県営住宅の建て替えやエレベーター設置などの予算にも、しっかりと取り組んでいただくようお願いします。