8月19*20*21日三日間福島原発事故の現状と取り組みについて視察調査に、県議会脱原発を目指す議員連盟の同僚議員6人で行って来ました。

初日は、福島県庁で県議会議員5人の方と意見交換をさせていただきました。
国、東電の取り組みの甘さ、除染の困難さ、避難者の現状等いろんな意見交換をしましたが、特に県議会の取り組みで印象に残ったのは、事故後、福島原発6基の廃炉にする県議会の意見書議決についてです。当初自民党会派は、意見書秘訣の方針でしたが、事故が起きたことで県議会選挙が9月に延びていて、選挙前の議会で、廃炉意見書に賛成の意向に転じたとのことでした、これで、全会派全議員が賛成になり、福島原発全基を廃炉にする意見書が可決しました。今では知事、県議会オール福島で、原発廃炉、脱原発方向で取り組んでいる現状がわかりました。

その後、県生活環境部・避難者支援課と、原子力安全対策課から、避難者の避難生活の現状と課題について、福島第一原子力発電所の現状と廃炉に向けた見通しについて説明を受けました。
東日本大震災から2年5ヵ月以上が経過したが、現在もなお県内外に約15万人(県内約9万6千人、県外5万4千人)が避難しています。ちなみに奈良県には約100人の避難者を受け入れています。
また、福島第一原子力発電所の現状と今後の対応については、汚染水漏れ、廃炉に向かってのスケジュール等を説明受けましたが、はっきりした具体的な方策はありませんでした。
放射能汚染は、人間の手に負えない神に背く領域であります。
福島県議会の皆さんと共に今後も情報交換をして、奈良からも福島原発の現状を県民、行政に訴えて行く約束をして意見交換を終りました。


2日目は、浪江町議会馬場議員の案内で、原発事故で帰還困難区域と避難指示解除準備区域に指定され、許可書があれば入れる浪江町の現状を視察に行きました。
川俣町で待ち合わせをして飯舘村、南相馬市を通って浪江町に入りましたが、途中の飯舘村では除染の作業をしている人たち以外誰もいない、田んぼは草がはえて草原になっている様子を見ながら、所々で放射線量をはかりました。原発からの風向きで放射線量の濃度に差が出ます。飯舘村は悲惨な状況でしたが、南相馬市では普通の生活状況でした。いよいよ浪江町へ入ると本当に誰もいません。馬場議員の話では、事故当時のまんま、何も手がつけられていない、二三日で帰れると思い、着のみ着のままで避難して2年5ヵ月が過ぎてしまった。帰りたくても帰れないこの現状を見てほしいと!町はゴーストタウンになってしまった。役場で今の取り組みを聞かせていただきました。仮役場は二本松市にあり、浪江町へはインフラ整備のために現在18人の職員が、通っているとのこと。その後、町の様子を見た時は馬場議員さんが言われた通り、町には誰もいなく家は壊れたまま、駅、線路も放置状態でした。最後に、請戸小学校等を視察させていただきました。
















請戸小学校では適切な避難移動で180人の生徒は全員無事だったそうです。時計は津波のあった3時40分で止まっています。また体育館では卒業証書授与式の横断幕が掲げられたままでした。黒板には訪れた人たちからの応援メッセージが数多く書かれていました。
浪江町の様子を見て、放射能の恐ろしさを実感しました。この現状をしっかり伝えなければと心新たに現地を後にしました。

最終日は、二本松市にある浪江町の仮説住宅に激励訪問し、入所者の方々のお話を聞かせていただきました。
浪江町は最初事故が起きた時は避難者受け入れ地でありましたが、3月15日になって避難指示がありました。詳細はわからず避難することになり、すぐに帰れると思い、着のみ着のままで町を離れたそうです。避難するときに一番困ったのはガソリンがなかったことで、また今の仮説に入るまで、7回変わったひと、9回転々と移動したひとなど苦労されたお話を聞かせていただきました。
また、仮説生活でいろんなストレスが重なり、体調を崩している方々がかなりおられるとのことでした。
ただ、今までのことより、今後町へ帰れるかどうかの方が心配されてました。帰りたくても帰れない、お金なんかいらないからふるさとへ帰れるようにしてほしい、その対策が具体的に進まない国、東電への不満は聞いていて、本当にそうだなと思いました。
そして、我々に最も訴えられたのは、今も汚染水漏れがありますが、福島以外では原発事故のことを過去の出来事で忘れ去られているのではと、是非、この現状を原発立地地域や全国から見に来ていただき、原発事故の恐ろしさを知ってほしい、その上で原発再稼働をすべきかどうか考えてもらいたいと切実に言われたことでした。最後に脱原発を目指す議員連盟会長として、奈良から皆さんの声を同僚議員と共に、しっかり県民や行政に訴え、脱原発に向かって行動して行くことを約束して帰路につきました。
頑張って下さいと軽々しく言えませんが、きっと明日は晴れ、花は必ず咲くことを信じ、希望を持って頑張って下さい。
お世話になった福島県議会議員の皆さん、馬場町議会議員さん、県町職員の皆さん、何より被災者の皆さん、本当にありがとうございました。


被災者のお二人と同僚の和田議員です。


仮説住宅です。


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