前回前々回と「オーストリア」と「オーストラリア」の違いを語源的な観点から説明してみました。語源的に、「オーストリア」は「の国」、「オーストラリア」は「の国」であります。どちらもaustr-というスペルで、同一の語根から派生しているのに、ちょっとした意味の変化があり、このような違いがあるという話をしました。

今回は、このaustr-というスペルの考え方を用いて、「アウストラロピテクス」がどこで生活をしていたのか、ということを考えたいと思います。ちょっと皆さんも考えてみてください。

「アウストラロピテクス」とは、かつて「世界最古の人類」であると考えられていた猿人です。歴史の教科書とかに載ってましたよねこいつ。

どうやら、今の教科書では「トゥーマイ」というアフリカのチャドで発見された猿人が世界最古であるとされているようです。諸説あるようですが...

そんな「アウストラロピテクス」は1924年に発見され、学者によってラテン語のAustralo+「猿」という意味を表すギリシャ語pithecusという名前をつけられました。

ということは!!! 「東」か「南」のどちらかで生息していた猿人ということになります。どちらでしょうか? ヒントは1924年とラテン語にあります。

基本的に、「」という意味を表すaustr-は語源的にドイツ語です。しかしながら、今回は1924年に学名としてつけられたラテン語ですので、「」という意味を表す方のaustr-ではないかと考えることができます。

「オーストラリア」じゃないの? と思った方もいるかもしれませんが、「国名」を表しているのは-iaなので違います。

つまり、「アウストラロピテクス」は「南の猿」という意味になります。実際、発見されたのはアフリカです。超南です。

wikipediaの「アウストラロピテクス」の項目には彼らの発見地がいくつも書いてありました。

これで明日から友達に自慢できますね! austr-系は以上にしておきます。