英語を学んでいると、「○○という単語はラテン語の△△からきていて~」などという説明を見聞きしたことがあると思います。それを聞いた人たちは、「おお! 英語は元々ラテン語だったのか!」なんて思ってしまうかもしれません。

しかしながら、「○○という単語はギリシャ語の△△からきていて~」と言われた瞬間に訳が分からなくなってしまいます。さらに、「○○はフランス語の△△から、××はドイツ語の◇◇から~」なんて言われることもあります。このままだと、お父さんが複数人いることになってしまい、ちょっとした(いや大きな)問題になってしまいますよね。

実は、今までの発言はどれも間違ってはいないが、当たってはいないのです。確かに、英語はラテン語、ギリシャ語、フランス語、ドイツ語の影響も受けています(ここが後々重要になります)。しかしながら、英語はそのいずれの言語から生まれたわけではありません。

では、英語はどこから来たのでしょうか。今回は、「印欧祖語」と「印欧語族」について説明したいと思います。

まず、印欧祖語と印欧語族についてです。印欧語族というのは、ヨーロッパで多く話されている100あまりの言語たちの総称のことで、「インド・ヨーロッパ語族」とも呼ばれます。
これらの言語は、もはや現存していない「印欧祖語」と呼ばれる1つの言語から派生して、それを話していた人々が各地に移動して、現在の言語へと分れていきました。つまり、ほとんど方言のようなものです。

印欧語族は、およそ10個の語派から構成されており、英語とつながりが深いところでは、「ロマンス語派」「ギリシャ語派」「ケルト語派」「ゲルマン語派」などがあげられます。下に一覧を載せておいたのでご覧下さい。(http://www.oocities.org/geenath_2000/indeur1.htmlからいただきました)


つまり、「英語はラテン語などから生まれた」というのは間違いで、「英語はラテン語と友達である」くらいの方が正しいです。例えば、フランス語とラテン語の関係を見てみて見ると、「フランス語はラテン語から生まれた」ということができます。

つまり、図で見て「縦」のつながりが「血縁」=「系統」、「横」のつながりが「交友関係」=「影響」であるということが出来ます。