つい先月album「パレット」がリリースされたばかりですが、
悪性脳腫瘍と闘いながら漫画家を目指し、
18歳で生涯を閉じた坂野春香さんをモデルとした、
映画『春の香り』主題歌に決定致しました。
いつも楽曲制作は、
①サウンドデモ(編曲)作成
②作曲
③サウンド調整
④作詞
⑤レコーディング
という流れで作成します。
でも今回、映画「春の香り」主題歌はまったく違うものでした。
去年、映画「いちばん逢いたいひと」プロデューサーの堀さんから仙台で、
「春の香り」の主題歌を担当してほしいと打診がありました。
実話を元にした映画ということもあり、
すぐに受けることができなかった。
僕はただの音楽をやっている、
音楽が好きなおじさんです。
そんな僕にいったいどんなテーマで、
坂野ご家族、春香さん、みんなに聴いてもらえる曲を作る自信がなかったです。
翌週僕がいない時、堀プロデューサーが仙台から事務所にきてくれて、
スタッフと話し合ってくれて、再度主題歌のお話しをして頂けました。
すぐにその日、
原作「春の香り」と台本を読んで涙が止まらなかったのと、
何よりも「春香」さんの想い出が僕に曲を描かせてくれました。
メロディ作成は10分もかかっていません。
トータル20分ほどでほぼすべての曲が完成しました。
今まで音楽が好きだから、
作詞/作曲/編曲すべて「音楽を作ってきた」ことはあるけど、
「作らせてもらった」ことは初めての経験でした。
レコーディングをし、
曲のミックスが完成してすぐに、
江南市にある坂野ご夫妻に聴いてもらいました。
お二人と堀さんの言葉を聞いて、
「春香」さんにこの曲を描かせてもらった、
「春香」さんからもう一度音楽で頑張っていこうという勇気をもらえた、
そんな風にお伝えすることができました。
7月上旬
映画「春の香り」を編集スタジオで見せてもらって主題歌が流れた時、
自分が作った/歌っている曲なのに、
・映画「春の香り」の
・「出演者/スタッフみんな」の
・「坂野ご家族」の
・「春香さん」の
曲になっちゃったんだなって思いました。
タイトルは「ハルカ」
この映画を見て、ハルカを聴いてくれたみんなが、
僕と同じように「春香」さんから元気を貰ってくれたら、
これ以上嬉しいことはありません。
これからもずっと夢に見ていた場所へ辿り着けるようがんばります。
人は音楽の前では、絶対素直になれるんだと信じて。
山本雅也
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山本雅也 コメント
映画『春の香り』ドキュメンタリー エピソード3