36回目の誕生日…な俺…。
「暑いな…これ以上クーラーは効かないのか。やはりここは暑い…」
「あぁ暑くてかなわん…」
「ご静粛に。おほんっ、緊急サミットにお越しくださいました、大統領、首相、国王、女王、国家主席、総理、総書記、太田プロの社長…のみなさん、すでにご存知でしょうが、名だたる科学者、有識者、呪術者までもを総動員し事態の解決を試みたのですが、万策尽きました…残念ですが…もう我々は…この星と共に滅亡…」
「ち、地下シェルターへの移住計画は?」
「はい、少子化対策が軌道に乗り、増えすぎた600億もの人間を格納出来る程のスペースが…それに…」
「で、ではせめて我々要人だけでも」
「お言葉ですが、今回のそれを前には、どんなに強固な地下シェルターでも藁の家同然…」
「万事休すか…」
「…」
「…」
「何かいい案は…」
「…」
「ぁの人…」
「あの人…?」
「そうか…あの人なら!!」
「今すぐ連絡だ…090ー2454…」
ブンッ!…ブンッ!…ブンッ!…
「浩司、まだ素振り続けてるの?もうそろそろでしょ?」
「あぁ、もう終わるよ…いつもの癖が抜けなくってね…9999億9999万9998…ブンッ!…9999億9999万9999…ブンッ!…」
「毎日素振り1兆回だなんて、私にはとても真似出来ないわ」
「それをずっとそばで見守り続けてるなんて事の方が僕にはとてもとても…」
「それが私のお仕事よ!でも、去年まで売れない漫才師だったあなたが、今やメジャーリーグのホームラン王だなんて」
「たまたま漫才中のツッコミのスイングを見たスカウトマンがすぐにうちのチームでと言うもんだから…」
「それからのあなたと言えば、全打席場外ホームラン、敬遠ボールでも、ワンバウンドボールでも、バットを持って行かなくたってぜーん大当たり。通算999999本のホームランを打った男!」
「夜は毎回ポテンヒットだけどね…」
「…」
「お笑いやめて正解ね…」
「あはははは」
「ちなみにその時の相方は?」
「うん、相方は今、”入会してから体重が増えたじゃないか~!!”…と、ライザ◯プと裁判中だよ」
「ま、愚鈍な男ね…」
「まったくだ」
「おい!浩司、そろそろだぞ!」
「お、イチロー!来てくれたのか!久しぶりだな!元気か?今は何やってんだ?」
「あぁ、お前のプレーを見た俺は即引退を決意し、今はモノマネパブで、世界的スターのニッチローのモノマネをして食っている」
「ややこし…い…」
「しかしお前があのエマワトソンと結婚とはね…浩司、頑張れよ」
「うふふ、頑張って、ハリー…いや、浩司!!」
「あぁ」
「かっとばせーやーまーもとー!!」
浩司はいつも通りのルーチンを崩さず、いつも通りのポーカーフェイスでバッターボックスに立った。
いつもと違う事、それは対象物が白球ではなく、この星の夢と希望を跡形もなく飲み込まんとする超巨大隕石。
背中に600億人の歓声を受け、双肩に600億の人生を担い、彼女のお腹の中の600億1人目の希望ある未来の為に…
浩司はバットを振った。
「おめでとう浩司!」
「エマ…」
「これで通算100万本目のホームランね!」
「あぁ、ありがとう!」
「これでこの星と600億1人の未来が救われたわ!」
「君がいつも通りお仕事してくれたおかげさ」
「そういえば、昔の相方は裁判に負けてアズカバンに収容されたらしいわ…」
「…」
「とにかくこれで全て解決ね!」
「あぁ、でもまさか、僕たちを育ててくれた地球があんな形で猛威を振るうとはね」
「人口爆発で人類が火星に移り住んで早一年、かつて我々は地球からたくさんを愛をもらってきた。けれどもその事に気付かず自分たちの利便性だけのために破壊し続けてきた。その結果地球は生命力を失い暴走…過ちへの報いよ」
「二度とこの間違いを犯さぬよう、今、僕たち!」
「私たちに出来る事!!」
「やめよう!うんこした時、トイレットペーパーの使いすぎ!!」
…というようなCMに出ているはずだった…
それなのに…
今年も、これと…
毎年毎年毎年長々とした妄想にお付き合いいただき感謝しております。
皆様と両親と僕のお陰で、無事に36歳になれました。
これからも37歳まで応援してやってください。
「あぁ暑くてかなわん…」
「ご静粛に。おほんっ、緊急サミットにお越しくださいました、大統領、首相、国王、女王、国家主席、総理、総書記、太田プロの社長…のみなさん、すでにご存知でしょうが、名だたる科学者、有識者、呪術者までもを総動員し事態の解決を試みたのですが、万策尽きました…残念ですが…もう我々は…この星と共に滅亡…」
「ち、地下シェルターへの移住計画は?」
「はい、少子化対策が軌道に乗り、増えすぎた600億もの人間を格納出来る程のスペースが…それに…」
「で、ではせめて我々要人だけでも」
「お言葉ですが、今回のそれを前には、どんなに強固な地下シェルターでも藁の家同然…」
「万事休すか…」
「…」
「…」
「何かいい案は…」
「…」
「ぁの人…」
「あの人…?」
「そうか…あの人なら!!」
「今すぐ連絡だ…090ー2454…」
ブンッ!…ブンッ!…ブンッ!…
「浩司、まだ素振り続けてるの?もうそろそろでしょ?」
「あぁ、もう終わるよ…いつもの癖が抜けなくってね…9999億9999万9998…ブンッ!…9999億9999万9999…ブンッ!…」
「毎日素振り1兆回だなんて、私にはとても真似出来ないわ」
「それをずっとそばで見守り続けてるなんて事の方が僕にはとてもとても…」
「それが私のお仕事よ!でも、去年まで売れない漫才師だったあなたが、今やメジャーリーグのホームラン王だなんて」
「たまたま漫才中のツッコミのスイングを見たスカウトマンがすぐにうちのチームでと言うもんだから…」
「それからのあなたと言えば、全打席場外ホームラン、敬遠ボールでも、ワンバウンドボールでも、バットを持って行かなくたってぜーん大当たり。通算999999本のホームランを打った男!」
「夜は毎回ポテンヒットだけどね…」
「…」
「お笑いやめて正解ね…」
「あはははは」
「ちなみにその時の相方は?」
「うん、相方は今、”入会してから体重が増えたじゃないか~!!”…と、ライザ◯プと裁判中だよ」
「ま、愚鈍な男ね…」
「まったくだ」
「おい!浩司、そろそろだぞ!」
「お、イチロー!来てくれたのか!久しぶりだな!元気か?今は何やってんだ?」
「あぁ、お前のプレーを見た俺は即引退を決意し、今はモノマネパブで、世界的スターのニッチローのモノマネをして食っている」
「ややこし…い…」
「しかしお前があのエマワトソンと結婚とはね…浩司、頑張れよ」
「うふふ、頑張って、ハリー…いや、浩司!!」
「あぁ」
「かっとばせーやーまーもとー!!」
浩司はいつも通りのルーチンを崩さず、いつも通りのポーカーフェイスでバッターボックスに立った。
いつもと違う事、それは対象物が白球ではなく、この星の夢と希望を跡形もなく飲み込まんとする超巨大隕石。
背中に600億人の歓声を受け、双肩に600億の人生を担い、彼女のお腹の中の600億1人目の希望ある未来の為に…
浩司はバットを振った。
「おめでとう浩司!」
「エマ…」
「これで通算100万本目のホームランね!」
「あぁ、ありがとう!」
「これでこの星と600億1人の未来が救われたわ!」
「君がいつも通りお仕事してくれたおかげさ」
「そういえば、昔の相方は裁判に負けてアズカバンに収容されたらしいわ…」
「…」
「とにかくこれで全て解決ね!」
「あぁ、でもまさか、僕たちを育ててくれた地球があんな形で猛威を振るうとはね」
「人口爆発で人類が火星に移り住んで早一年、かつて我々は地球からたくさんを愛をもらってきた。けれどもその事に気付かず自分たちの利便性だけのために破壊し続けてきた。その結果地球は生命力を失い暴走…過ちへの報いよ」
「二度とこの間違いを犯さぬよう、今、僕たち!」
「私たちに出来る事!!」
「やめよう!うんこした時、トイレットペーパーの使いすぎ!!」
…というようなCMに出ているはずだった…
それなのに…
今年も、これと…
毎年毎年毎年長々とした妄想にお付き合いいただき感謝しております。
皆様と両親と僕のお陰で、無事に36歳になれました。
これからも37歳まで応援してやってください。