雪の日の小さな奇跡…な俺…。

やぁ！！



待たせたな！！



俺の名前はハードボイルド山本。



寒さで縮こまってるお前らに、これから俺が小さな町で起きた小さな奇跡を話してやるぜ！！







三連休の初日、この日降り注いだ雪は、凍てつくほど身体を冷やし、その代わりと言っちゃあなんだが、心を少しだけ暖めてくれやがったんだ。



例年はほとんど積もることのない東京の雪も、今日ばかりは昨日までの無骨なアスファルトへそれはそれは真っ白い冬の化粧を施しやがった。



神様よ、何ともイカした演出だぜ。



こんな日はきっと何か良いことが起こっちまう…






帰り道、自転車のサドルへ本当に申し訳程度に積もったそれを見ると、故郷の新潟を思い出しちまう。



きっと今夜は皆、ブログを更新する手に熱が入りやがるんだろう。



そしてその熱がこの雪を溶かし、新たな春への一歩となるのさ。



ちっ、少しおセンチ過ぎたかな。



けどな、それぞれの奴が、それぞれの場所で、それぞれの想いを胸に、この白い地面を見ているんだろうよ。



たった一つ、雪という天気が、何百万人もの心に落ち、溶け、ゆっくり染み渡っていきやがる。



そんな雪原風景が当たり前に広がっている雪国新潟に生まれたことを、少しだけ誇りに感じたぜ…。



なんだか無性に、ミカンが食べたくなっちまった…。



どれどれ…



財布の中の残高…



十円…。



けっ、財布までもが凍えちまってら…。



けどな…



きっとこんな雪の日は何かが起こっちまう…って言っただろ？



何かって？



ほらな…。







アディオス！！