最近、家にいることが多いため、料理のバリエーションが増えてきた。

 

そのなかでも作っていて楽しいのは、「絶望のパスタ」ことアーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ(以下、アーリオ・オーリオ)である。

 

イタリア語で「アーリア」はにんにく、「オーリオ」はオリーブオイル、「エ」は物事を並列するときの接続詞、つまり英語のand、「ペペロンチーノ」は唐辛子のことであり、この料理は、これらの材料を混ぜ、パスタに絡めるだけで簡単にできる。

 

にんにく、オリーブオイル、唐辛子といった、イタリアならどんな家庭にも常備してある材料(というより調味料)だけで作ることができるこのパスタによって、貧乏でお金のない人でも腹を満たすことができ、そのため、「貧乏で絶望している人でも食べられるパスタ」という意味で、「絶望のパスタ」と呼ばれているそうである。

 

日本では、値段の高いオリーブオイルを常備している家庭はそう多くないだろうから、むしろ「ブルジョワジーのパスタ」、「金持ちのパスタ」、「暇人のパスタ」である。

 

その醍醐味は、何と言っても、ソース作りにある。

 

アーリオ・オーリオのソースは、にんにくと唐辛子の風味を移したオリーブオイルと、パスタの茹で汁を混ぜることで生成される。

 

でんぷんが作用して乳化が進み、白濁すれば成功であるが、これが結構難しい。

 

成功すると美味しくなるが、失敗すると、ただの油と水がかかったパスタを食べることになる。

 

多分、端から見ると全然楽しそうには見えないであろうが、これが実に面白く、食べ飽きてもなお、作ってしまう。

 

ちなみに、マッキントッシュで「あーりお」と入力すると、「aglio olio」と自動変換される。高級ブランドのマッキントッシュと「絶望のパスタ」ほど不釣り合いな組み合わせはないと思うのだが。