泣いて謝る夫の姿からは、彼女と一緒になりたいという感情は読み取れませんでしたし、私の中には全く怒りが生まれませんでした。なんでだろう…?
現実として受け止められてなかったからかなぁ?
本当に、怒りを通り越してたという感じ。
目の前の夫がグチャグチャ過ぎて哀れに見えたのもあると思います。

あと、3日間の失踪で『生きていて欲しい、彼女がいても生きていて欲しい、それでも一緒にいたい』そう思っていた時間があったからかもしれません。
私にとって何が必要?どうしたいのか?を考えた3日間でもあったから。
本当に、彼が生きていてくれて良かったと思いましたし。


夫に、あなたはどうしたいのかと聞くと、『この家にいたい、ここが自分の居場所だとわかったから。でも彼女が怖い、彼女が死んだら俺が殺したも同然だ、怖い…怖い…どうしよう、俺、人殺しだ、俺が殺すことになるんだ…怖い…怖い…』と言って震えだすんです。

彼女は恐怖の存在なんだとわかるくらいガタガタ震える夫。
こんなに恐怖で震える人を初めて見ました。

目の前でリストカットをされ血だらけになる、目の前で飛び降りようとする、睡眠薬を飲んで意識が戻らず動けないようになる。
そういったことを別れの話をするたびにされてきた様子でした。

また失踪後に作っていたボクサーみたいな目の青あざや腫れた顔は、他人との喧嘩ではなく彼女に殴られたものだったようです。メンヘラでDVな彼女なんですね。


私は夫に、彼女と会って話をしなきゃね、と言いました。彼女の妊娠があるので、いろんなことを決めていくのは早い方がいいと思ったからです。
翌日9月2日に彼女の家に行くことにしました。かなり精神的不安定な彼女のために、彼女をサポートしてくれる人が必要。サポートしてくれる人として彼女の母親にお願いして、話し合いに参加してもらおうということで夫と話し合いました。

その夜は2人とも全く眠れません。
夫はうつ伏せ寝で両手を胸に組みガタガタと震えだします。


『どうしよう、彼女が死んじゃう』
『ごめんね、本当ごめんね…』


この人は私の事が全く見えていないんだなと少し悲しくなりました。でもこれが本音なんだなーと思いながら、夫の背中をさすり続けました。