こんにちは。
「ITコンシェルジュ」こと、
UTソリューションズ 吉川です。

 

(株)十八屋は90年以上の歴史を持つ

埼玉県吉川市の老舗酒御問屋をご紹介します。

 

Win-Winの関係ではなく

Win-Win-Winの関係

を作ったのです。

 

地元の飲食店を中心に卸販売を行う一方、

小売販売にも本格的に乗り出した。

 

共通するのは、

ただお酒を売るだけではなく、

 

顧客ニーズをくみ取り

その価値を提案していることだ。

 

 

◆家飲みの需要増を機に小売ショップを開店

(株)十八屋は昭和5年の創業。

 

現在は飲食店向けの業務用卸が

売上の約65%を占める主力事業

となっている。

 

小規模だからこそできる地域密着、

お客さまのニーズをくみ取る

懇切丁寧な商品説明が、

量販店との差別化につながっている

のだと思います」

 

こう同社の強みを分析するのは、

3代目社長の石井和也氏だ。

 

6年ほど前に事務所の一角を

小売販売スペースに改装し、

一般客向けのショップをはじめた。

 

当初はわずか5坪の店だったが、

コロナ禍で急展開することになる。

 

飲食店が打撃を受ける中、

同社の売上も8割減に落ち込んだ。

 

 

ただ、卸売りの売上が減る一方で、

テレワークの普及などを背景に

自宅での飲酒需要が増え、

小売りは上向きになった。

 

そこでかねてより温めていた構想を

一気に開花させたのだ。

 

5坪の販売スペースを5倍に拡張、

2021年1月に

「ワインショップFusa Fusa」

をオープンした。

 

その際は、顧問会計事務所に相談。

採算や資金繰りの計画をしっかり

立てて取り組んだ。

 

責任者は石井芳枝取締役。社長の奥さん。

創業者の孫で、2代目社長の長女である。

 

特にワインに注力し、ソムリエの資格を取得。

東欧の珍しいワインなど約300種をそろえた。

 

 

◆対面販売での提案営業でリピーターを獲得

芳枝氏が特に重視しているのは

顧客との関係構築だ。

 

同社スタッフは事務と同時に

「コンシェルジュ」の役割を担い、

味の好みや料理との相性など、

さまざまな相談に応じ、

おすすめの酒を提案する。

 

こうした付加価値が、

商品が陳列されているだけの

量販店との差別化につながる。

 

実際、来店客のほとんどは相談

しながら購入している。

 

「対面でお客さまと接することで、

いろんな商品を新たに

ご紹介することができます。

 

常に新しい知識を提供することで

ワクワクして来てくださいますし、

毎日のように来店される方も

いらっしゃいます」

 

と芳枝氏は手応えを感じている。

 

また、贈答品としてのワイン需要が増加。

顧客はどんなお酒が喜ばれるかを

相談したいので、

芳枝氏が身につけたソムリエの知識を

遺憾なく発揮できる。

 

スタッフも勉強に励んでおり、

時には日本酒の蔵の見学会に

参加するなど知識の向上に努めている。

 

こうした取り組みが奏功して

リピーターが増え、近隣住民だけで

なく県外からも顧客が訪れるように。

 

ワインはほぼゼロの状態から、

小売り全体の30%を占めるほどに成長した。

 

 

◆取引先飲食店との絆ができて経営が安定

対面販売で得た消費者の嗜好やニーズの

情報は、卸売りにも活かされている。

 

従来は発注されたお酒を届ける

だけだったが、それぞれの店の料理や

顧客層に合った酒を提案できるようになり、

飲食店に卸す酒の種類や価格帯が

広がったのだ。

 

「外食はちょっとした

贅沢になっていますから、

料理に合うお酒を提案すると

お客さまは喜んでくださいます。

 

つまり、

お客さまが本当に

求めているのは、

料理やお酒そのものではなく、

楽しい時間を過ごすこと

なんですね。

 

それを伝えることで得意先飲食店の 

売上回復にもつながり、相乗効果が

生まれたのは良かったと思います」(和也氏)

 

こうしてできた得意先との連携が

さらなる好循環を生み出す。

 

2021年1月、首都圏で2回目の

緊急事態宣言が発出されると、

「ワインショップFusa Fusa」の

オープンを目前に控えていた

芳枝氏は、店頭で取引先飲食店の

弁当をテイクアウト販売

することを思いつく。

 

営業を制限された得意先を

支援するとともに、

ショップに来たことがない

近隣住民を呼び込める

一石二鳥の狙いだ。

 

約15店の得意先が日替わりで

オリジナル弁当を販売したところ、

地域住民の間で評判になり、

連日大盛況となった。

 

飲食店の存在を知り、その後店舗に

足を運ぶ人が増え、

同社のワインショップにも立ち寄る人が

増えてワインが好調に売れた。

 

芳枝氏は

顧客、得意先、当社が

Win-Win-Winになりました。

 

得意先との絆ができて離れる

心配もなくなり、

経営が安定しました」

と振り返る。

 

街の活性化が商売繁盛につながる

ということを改めて実感しました。

 

小さいからこそできる売り方、

そして

お酒を通じてお客さまに楽しい時間を

提供するということを意識しながら、

 

今後も地域住民や得意先に寄り添った

コンサルティング営業を続けていきたい

思っています」(和也氏)

 

出典 

TKC 経営者の四季 2022年7月号 

(埼玉県蓮田市 宇津木税理士事務所)より

 

 

弊社は、システム開発事業を行っています。

食品メーカー、建設会社、葬儀社などの

業務管理システムがメインです。

 

開発ソフトはFileMakerを採用しています。

 

「モノ」ではなく「コト」

 

・・・「システム」を売るのではなく、

「システム」を通じて喜びを提供する。

そう感じました。

 

 

今日も最後までお読みいただきまして

ありがとうございました。