ソニーピクチャーズが公式YOUTUBEで、期間限定で無料公開している映画作品がいくつかあるのですが、
その中から『フレンチ・イグジッド~さよならは言わずに~』を見ました。
タイトルの通り、「お別れ」がテーマの映画です。
マンハッタンとパリを舞台にしたフランス映画かと思ったら、
アイルランド・カナダ合作の作品で、北米に移住したフランス人の高等遊民のような生活と没落、
アリとキリギリスで言えば「キリギリス」の生涯を貫いた、ヨーロッパ出身のエシュタブリッシュメント階層の女性の、
本来なら富裕層の夫に守られて遊び暮らして一生を終えるはずだったマダムのお話でした。
高等遊民のマダムとして社交界で名を馳せた彼女が、夫に先立たれ、稼ぐ術を知らず、膨大な財産を食いつぶしながら、貴族的な生活を送り、末期はひっそりと、息子と親しい人たちで晩年を過ごし、消えるようにこの世から去った女性の、鮮やかな一生。
映画の宣伝文句にもありますが「優雅な終わり方」、つまり、高等遊民マダムの誇り高き末期、人生のエンディングの過ごし方を得描いた作品です。
ほんとに、わがままなくらい、自分の気持ちに正直で、NOにはNO! 失礼なことを言ってくるやつには反撃を加え、狂暴な一面も見せるのですが、それも最高にカッコいいんです。
彼女の周りの人たちや彼女の息子も、高潔な高等遊民の母の息子だけあって腹が座ってる。父の死後は子供だから母親が連れ歩いてるように見えながらも、彼は母をエスコートして、恋人のように母を守る。
フランス人ってカッコいいなあ!!
夫を亡くした彼女には人に言えない悩みがあって、それがこの作品の「核」になっていくのですが、この展開、最高!!
高等遊民の白人富裕層女性の話なので、「プラダを着た悪魔」のようにマウントポジションをとるためのバチバチの闘いがある話かといったら全然そんな話ではなくて、夫に先立たれた彼女は、飼い主に先立たれて、主がいなくなった家で無為に暮らす愛猫のようで、はかなげで、消えてしまいそうで、なんだかすごく悲しい。
だから、周りの人たちが、彼女を生かそうと全力で彼女に手をさしのべて、彼女とともに時をすごして、悲しみを愛で覆いつくそうとする様が、穏やかで力強く、そういえば、私の父が亡くなった時も、何日も前から家族が集まり、一週間前、一か月前、三か月前あたりから、遠方から父の親友や大切な人が父を訪問してきて、悲しいのに満面の笑顔でお見舞いに来てくれて、愉快な話をして、
病室を一歩でたら、涙を流してましたよ。
高等遊民の彼女の末期だから、集まってる人たちが粋で、でも、普通に普通にとっても心があったかい。
やばかったです。
これ、もう一回みるぞ!