帰り道 | 小川智之 渚のパパラッチ

帰り道

とにかくニューヨーク旅行は大変だった
変なおっちゃんに出くわす事から始まって
僕の中学英語が通じない
ブロードウェイミュージカルは噂の外人さん達が
歌ったり踊ったり楽しそうにしていたが、何を言ってるかさっぱり
あとはセントラルパークの暗がりで黒人兄さんにガムを5枚100ドルで買わされたりと。
まあ大変だった、しかし終わってみれば楽しい思い出だ。
さらばニューヨーク。一人で無事に海外旅行を終え安堵している中
僕を乗せたジャンボジェットは日本へ向かって飛び立った。

飛行機が無事飛び立って緊張が解けたのか僕は眠ってしまった
しばらくして僕はハッと目が覚めた。
前の方が何やら騒がしい、その時何か聞いたことのある声とフレーズが聞こえてきた。

「何回みてもこっから見るエコノミーは家畜だな」
「お客様困ります」


・・・背筋につーっと冷たいものを感じました。
でも僕は勇気を出して座席からひょこっと顔を横にだし前を見ました。

「うるせー!お前は黙って酒を持ってくればいいんだよ!ピシャー」
「キャー!痛い」
スチュワーデスのお姉さんは横の吹っ飛ばされ
僕の目の前にはその声の主が仁王立ちしていました。

「ん!?よう小僧また一緒だな、しかし相変わらずこきたねえ野郎だな!」

・・・・・・・!!!!!!!!!
あのおっちゃんだ!