あらかた家事も終わり

寝る前の片付けをしながら映画を流していたら、娘が部屋から出てきた


美容専門学校とバイトの日々でなんだか疲れている


あーちゃん

マッサージしたろか?と聞いたら


ありがとう(T ^ T)

という。


私は自分で言うのもなんだが、朝からお酒を飲んだり、会社にもぐずぐず行かなかったりだらしないところもたくさんあるがどちらかと言うと良いパパというのを通り越して激甘の父親である


そんなわけで美容専門学校のことをポツポツ聞いたら立ちっぱなしの授業がありかなり大変らしい

先生曰く仕事を始めたら座れないから今のうちに頑張って

とのこと


いい学校だ笑笑


まあとはいえまだまだ学生気分というか学生そのものなので、多少文句を言う娘の愚痴もうんうんと言いながらそれは大変だねと聞いていた


特に足がかなり張っていて長期戦になりそうなので前半は僕がNo.1に大好きな大人の映画をつけて二人で見ていた。フランスの映画、最強の2人である。身体の不自由な大富豪と荒んだ環境と不遇な親の元に生まれた2人が不思議縁で出会い支え合う内容で人は一人では生きていけないというのを痛感させられる実話を基にした話しである。また劇中のBGMも素晴らしくハリウッドにはない繊細な音楽やフランスのポップスなど、耳でも充分楽しめる。


娘が見ているかな?と時折覗くと真剣に見てくれているのがなんだか嬉しい


後半はお父さんのおすすめの曲を次々にかけてあげた。

僕が子供の頃すきだった曲。はやっていた曲。TMやプリプリ。初めて亡くなった嫁さんとデートに行った時、車で聞いた曲。嫁さんが大好きだった曲。娘が小学校の頃に好きだった曲。


途中、ふと思い出したことがある


いつかの夜。


そう妻が亡くなる半年前


いろいろ絶望的な結末が感じられるながらもそのことをお互い口にせずに、深夜2人で眠れない夜を真っ暗な居間で過ごしていた頃。


あの時もこんなふうに2人で昔の曲を聴いていた。もうおじさんとおばさんになっていた2人だけど、妻はベッド。僕は床に布団を敷いて暗闇の中で懐かしいねーと話しながら若い頃に戻りずいぶん遅くまで夢中になって音楽を聴きながらいつしか眠ってしまった夜。


そんな話を娘に教えながらマッサージをした。


なかなか家にいることができないし、話を聞く時間も限られている私ですが、限られたこんな時間のこともきっと10年後には懐かしく思い出すのかなー。娘に生まれてきてくれてありがとね

と伝えた。


ねえ、あーちゃん

お父さん死んだらお母さんに褒めてもらえるかな?と聞いてみた


娘は微笑んで


うん


と返事をしてくれた


素敵な娘に育ってくれて僕はたぶんしあわせなんだろうなと思いました