国の中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の見直しが今行われている。脱炭素とエネルギー安全保障の両立が課題だ。その中で発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない原発と再生可能エネルギーをいかに積み上げるかが焦点と言われている。4月に開かれた先進国7か国(G7)気候・エネルギー・環境相会合では、「CO2の排出削減策がとられていない」との条件は付いていものの、石炭火力を2035年までに廃止することが共同声明に明記された。
だが、今の日本では約7割の電力をまかなっているのは火力発電である。化石燃料を燃やして発電するのでCO2を排出する。特に日本が誇る最新鋭の技術を用いた石炭火力ですら、CO2排出量は液化天然ガス(LNG)の約2倍だ。石炭火力に対する世界の目は厳しさを増している。
40年前に電力中央研究所(武山)で最新鋭の石炭火力プラントの実験と説明を受けた記憶がある。石炭をガス化することによりCO2を減らすのだ。当時は凄いな、と思ったが、現在でもそれでもLNGの2倍のCO2だとのことだ。現在は、石炭ガス化複合発電(IGCC)でCO2も90%以上の回収に成功しているという。また別途にはIHIの燃焼技術がある。石炭とアンモニアをミリ単位で制御して燃焼させる。

これら技術により、石炭火力発電に依存しているインド、マレーシア、などアジアの各国に貢献できるのではないか、と思われる。石炭火力、頑張れだ。