4月末の読売新聞からの記事だ。
都内の私立中高一貫校で英語科教諭(56)はため息をついた。冬休み、中一の生徒に英語で日記を書く宿題を出したところ、現在完了形などまだ教えていない英文法が使われ、ミスもない「素晴らしい英文」の国立日記が、何人もの生徒から提出された、と言う。生成AIが使われたことは疑いもない。「これじゃ、無料の宿題代行業者が現れたようなものだ」・・・・と。
この学校では、生成AIへの依存を強める生徒の実態を前に、学校で春休みの英作文の宿題を廃止したという。

国立情報学研究所の教授(情報学)は、学習に後ろ向きな生徒は生成AIに頼りきりになり、思考力や創造力の育成が阻害される。学力の格差が広がる恐れがある、と指摘する。
大学での影響は更に深刻らしい。竜谷大の教授(仏教学)は昨年ある学生のレポートに違和感を覚えたという。日本語としての誤りはないが、内容に具体性がなく、しかも、挙がっていた参考文献の著者名は実在の人物だが、書籍は今は存在しないものだった。学生に問いただしたら、「文章にまとめるのが苦手で、生成AIに書かせた」と白状したという。だが、露見するのは氷山の一角だ。
文部科学省は23年7月に小中高向けのガイドライン(指針)を公表した。「一律に禁止や義務付けを行うものではない」としたことで、「学校での使用に事実上のゴーサインが出た」との受け止めが広がったという。何をかいわんやだ。