1年のうち、骨折の件数が多いのは冬場らしい。骨がもろくなる骨粗鬆症患者が多い高齢者は特に注意が必要だ。骨粗鬆症は女性特有と思われがちだが、男性患者も一定数いる。骨折後の死亡率は女性より男性が多い傾向があるという。
冬場は室内で転倒し、骨折する高齢者が多い。敷物に引っかけたり、滑り止めの無い階段を靴下をはいて下り、滑って転げ落ちたりする。高齢者は歩く際、つま先が上がらない傾向があり、引っかけて躓きがちだ。
これは私も最近意識して注意していることだ。これで躓きがかなり減った。
東京大学の調査では、日本の骨粗鬆症患者は、男性410万人、女性1180万人で、圧倒的に女性が多い。女性は閉経に伴い、骨を生成する骨芽細胞を育てたり、古くなった骨を壊す破骨細胞を抑えたりする働きがある女性ホルモンが急減する。これが女性の骨粗鬆症の原因となる。一方、男性ホルモンには筋肉や骨を支える役割があり、男性患者は少ないのだ。ただ、男性で骨粗鬆症を発症しやすいのは、病気治療でステロイド薬を使っている人だ。更に呼吸器系の病気の人は日常的に息切れしやすく、運動を避けるため骨が弱くなってしまう。
日本骨粗鬆症学会理事長の萩野医師はつぎのアドバイスをしている。
冬場はストーブや加湿器などの室内器具が多い。躓かないように室内を整理整頓することが大切だ。敷物は固定し、階段には手すりや滑り止めをする。階段や廊下に夜間の足元を照らす照明があればいい。トイレやふろ場に手すりを設置するのも効果がある。注意喚起するのは、めまいやふらつきだ。室内外の寒暖差で血圧が変動しめまいを起こす。体のためにも寒暖差をなくす工夫、入浴前に着替える場所を温めておくなど。以上図示する。