訴えを起こしたのは、性同一性障害と診断され、女性として社会生活を送っている経産省の50代の男性職員だ。
幼少のころより「男」であることに強い違和感を抱いていた「彼女」は、1998年から女性ホルモンの投与を受け、99年には、性同一性障害と診断される。2008年ころより女性として私生活を送り、09年には上司へ自分が、性同一性障害であることを公表する。10月には「女性の服装での勤務や女性トイレの使用などの要望」を伝えた、という。
翌10年には女性の了承を得たうえで、同じ部署の職員に対して、女性の、性同一性障害について説明会を開催した。経産省は女性トイレの使用について、「同じフロアと上下階のトイレの使用はNG。その他の階のトイレはOK」とする。
女性は11年には家庭裁判所の許可を得て名前を変更し職場でもそれを使用した。経産省はその後もトイレ使用について制限をし続けた。「戸籍上は男性」ということが大きな理由だった。
女性はその後、国家公務員法86条の規定により、女性トイレを自由に使用することを求める行政措置を要求するが、人事院は「認められない」と判定した。
これらの経緯を受けて最高裁は、「当面の措置として、一時的に女性のトイレ使用に制限を設けたのはやむを得ないとしても、女性に性別適合手術を受けるように督促することを反復するのみで、約5年が経過しており、4年以上もの間、多様性を尊重する共生社会の実現に向けて職場環境の改善をする取り組みが十分なされていないように思われる」と指摘した。更に、「人事院の判断はほかの職員への配慮を過度に重視し、職員の不利益を軽視したもので著しく妥当性を欠いている」としてトイレの使用制限を認めた人事院の対応は違法と判断し、判定を取り消した。

さて、この裁判、どう決着するのだろうか?

「2008年ころより女性として私生活を送り」とあるので、もう15年間も女性生活を続けているわけだ。そして、
「09年には上司へ自分が、性同一性障害であることを公表する。10月には「女性の服装での勤務や女性トイレの使用などの要望」を伝えた、という。翌10年には女性の了承を得たうえで、同じ部署の職員に対して、女性の、性同一性障害について説明会を開催した」・・・このあたりはさすがに国家公務員試験をパスした優秀な職員で立派な立ち振る舞いだと思う。

50代のトランスジェンダーの「女性」ですか。