中曽根元首相が亡くなった。101歳だそうだ。彼の足跡は数多く、内外の政治家、知名人から哀悼の言葉や意見が数多く寄せられつつある。私も戦後政治の偉大な政治家だったと思う。
最近日経ビジネス電子版に、「中曽根康弘元首相、小泉内閣を語る」との当時の記事(2001年7月2日号)が載せられた。改めて読んでみると面白い。
まず、内閣の支持率だが、当時の小泉内閣の支持率は、80%近くもあった。中曽根政権は末期でも支持率は50%もあったようだ。それで自民党内で特別に1年延長されたくらいだった。現安倍政権も未だに50%近くあり、人気がある。内政、外交(特に外交)は良くやっていると思う。
中曽根元首相は大統領的な首相だった。小泉首相(当時)も大統領的で自分(官邸)で何事も決める政権だった。中曽根元首相も初めから大統領的首相を意識していた、とのこと。それでも単なるポピュリスト(大衆迎合主義者)ではなく、日本の国家をどうするという基盤的な観念を持っていたとのこと。
インタビューで、
問:中曽根さんは「21世紀はアメリカの世紀だ」とおっしゃいます。中国の台頭はまだ先ですか。 に対して、
あと15~20年はかかるでしょう。その間に中国自体が変わってきます。中国の経済的発展は目ざまいいものがあります。成長に持続力があれば、ブルジョアジーが台頭し、そうなると民主化、自由化が前進してきます。今既に共産党が中国の民衆の中においては印象が薄らいできています。
と答えているが、やはり彼も中国の近い将来の観測を誤っていたことがわかります。現時点は全くそうでなく反対方向に向かっているのですから