私は日本の少子高齢化を憂いている一人です。特に少子化には困ったものです。安倍首相もその第四次の内閣で初めて少子化問題をトップ課題に掲げました。でも具体的な有効な対策がこれまで取れていません。
厚労省がこのほど発表した人口動態統計によれば、2021年に90万人を下回ると予想されていた日本の出生数が、2年も前倒しで今年2019年には90万人割れになるだろうと見込まれます。この想定より早いペースで少子化が進んでいる理由については、1)団塊ジュニア世代(1971~74年)の高齢化が進み、出産適齢期でなくなったこと、2)20代の女性が578万人、30代の女性が696万人と、出産期の女性の数自体が減っていること などが言われている。もう一つ、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が2015年の1.46をピークに減少傾向が続いており18年には1.42だ。つまり合計特殊出生率が想定よりも上がっていないことも影響しているのだ。
政府の少子化対策は、保育の無償化や待機児童の解消など、子育て世代に対する支援に目が向いている。これも重要だが、一方で結婚の推進も大事なことだ。日本では父親なしの母子家庭は非常に少ないのでやはり健全な男女の結婚が前提となるからだ。
直近の国勢調査では男性の生涯未婚率が23.37%、女性は14.06%だ。想定以上に未婚化が進んだのではないか。とりわけ一番出生に影響を与える20代後半の未婚率が増えていることに危機感を感じる。未婚率の上昇は必ずしもよく言われる、経済的理由とは限らない。20~40代の独身男女の6~7割が親や親族と同居している。子供を手元に置いておき、仕事や結婚にまで口を出す親が昔より増え、自立できない若者が増えている。結果、結婚しようとしない若者が増えていることにつながっている、と私は思っている。