経済協力開発機構(OECD)は世界48か国の地域の中学校の教員を対象とした勤務環境の調査結果を発表した。日本では最近働き方改革が議論されているが、結果を見る限り日本の教員の仕事時間は週56時間で参加国の中で一番多かった。前回2013年に比べても約2時間増えているくらいだ。表参照(クリックで拡大)。

結果をみると、日本の中学教員の仕事時間は週56.0時間で参加国平均の38.8時間を大幅に上回っていた。しかしこのうち授業に使う時間は日本が18.0で平均の20.3時間を下回った。日本では部活動など課外活動の指導が7.5時間(平均1.9時間)、事務業務が5.6時間(平均2.7時間)など、授業以外の仕事が他の参加国に比べて圧倒的に多く、それが全体の仕事時間を増やしている状態だ。

次は教員の遣り甲斐に関する調査だ。グラフ参照。

日本の教員は平均年齢が42.0歳と平均43.4歳とほぼ同じ。しかし、女性教員の割合は42.2%で平均の69.2%に比べ大幅に低かった。遣り甲斐の意識面では、もう一度教員になりたい、が54.9%であり平均の75.8%を下回った。満足しているが、49.0%で平均の92.7%にかなり届いていない。しかし、教員になったことへの後悔については、わずかに8.0%(平均が10.3%)と少ない。つまり教員になって後悔はしていないが、またなりたいとは思わない、ということだ。

私が20年以上前に学校教育を10年間ぐらい担当したことがあり、アメリカを含む海外にも調査に行き、学校を訪問して現場の先生と意見を交換したことがあった。中学は大多数が女性(のおばさん先生)だったが、すごく使命感に萌えていた感じだった。当時の日本は小学校は女性教員が多かったものの、中学ではまだ少なかったようだった。
また先生の勤務時間で授業以外の仕事(雑用も含む)が相変わらず多いのは、部活対策や授業以外の雑用が多いのと、保護者対策ではないだろうか・・・。保護者対策は昔に比べ大変になっていやしないか。