自動運転業界についての議論で、掲記のテーマの議論が話題になった。参加者は、司会者の入山章栄=早稲田大学ビジネススクール教授、同、安田洋祐=大阪大学経済学部准教授、中島宏=ディー・エヌ・エー常務執行役員、鈴木裕人=アーサー・デイ・リトル・ジャパンパートナー の4人だ。これらの案について私の意見も加えてみたい。

まず自動運転には「レベル1」から「レベル5」まで段階があり、すでに「レベル2」までは実現している。表参照。

つまりドライバーによる監視付きでは実現できているわけだ。

予想1では、ホテルがつぶれる
車はある種のプライベート空間だが、自動運転が実現できれば、移動しながら好きなことが車の中でできる。ホテル代わりにも使える。移動しながら宿泊もできる。移動と宿泊がセットで提供される。ビジネスホテルは自動運転にとって代わられる可能性がある。現に鉄道では豪華な宿泊設備がついた列車がブームになっている。北海道一周を自動運転でやっちゃうなど。

予想2では、地方のタクシー事業者を救う
2025年になると団塊世代が75歳を過ぎる。運転免許を返納する人が増える一方、タクシーのドライバーが減ってくる。特に地方では顕著。今はタクシー業界が反対して自動運転化が進まないが、今後は自動運転を入れていかないとサービスを維持できなくなる。特に地方の年配タクシーが問題。行きたいところへ行けない「移動弱者」がでてしまう。これを救わなければならない。問題は自動運転のタクシーの価格だが、10倍になっても行けます。だって今経費のうち、車両経費は数%にすぎない。70%以上が人件費だから。

予想3では、住宅革命が起きる
今は駅に近いほど、住宅価格が高いが、今まで価値が少なかった駅から遠い物件価値が上がる。田舎の辺鄙なところでも「景観がいい」などで価値が増大する。


私は、完全自動運転になると、駅前駐車場が廃ると思います。だって、駅前駐車場に車を駐車する必要がなくなるから。無人自動運転て車を家に帰せばいいのだから。同様に、ひょっとしたら職場まで車で通勤できてしまうかもしれない。そうなると鉄道やバスを利用しない。これは大変なことになる。無人の車の大渋滞も起こるかもしれない。