当選したのは、「れいわ新選組」の2人、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の舩後靖彦(ふなご・やすひこ)氏(61)と、脳性まひのある木村英子氏(54)。2人の当選を受け、国会ではバリアフリー対応が進められている。
 当事者の当選をめぐり、ツイッター上では、「画期的な出来事」 「本当に素晴らしい」、と好意的な意見が上がる一方、「激務や審議、執筆、起案、審議に耐えられるのか」、「ALS患者さんが参議院へ(中略)国会議員が務まるとは思っていない」、「比例で重度身体障害者が当選。(中略)無駄な税金が使われることにうんざりする」、など、疑問視したり、バッシングしたりする声が出ていた。


国会内での介護費用について、当面参議院が負担することを決めた。今後れいわ側に伝える。重度障害者の職場での支援についても、早急な制度の見直しを政府に求めることで一致したという。



前例がある。矢代英太元参議院議員。郵政相まで務めた。八代氏は、「いろんなバリアーを指摘する人がいないと、バリアーは解消していかない」と指摘。「みんなが便利だと思えば、そういう人は一向に『じっとしていろ』ってことになる。障害者の雇用制度のようなものも生まれたし、障害を持った人たちも働く。『なにもできないんじゃないか』じゃなくて、『なにができるか』を考える。どんな重い障害を持った人でもそれぞれの能力を持っているわけですよね」と語りかける。「山本(太郎・れいわ新選組)代表への魅力もあったかもしれないし、2人がノミネートされたことへの大きな関心が票を掘り起こしたかもしれない、ってことを考えるとね、やっぱりこの2人を政党としてサポートしてほしい」と訴え、次のように求めた。
「ぼくがやり切れなかったことを、彼らが第2期としてやってくれれば。来年はオリパラの年でもあるし、世界から障害持った人もたくさん来る。国会議事堂でもみんなに見学してもらって、日本の国会議事堂はバリアフリー化されていることを大いに宣伝してくれればいい」
流石に矢代英太、いいことを言っている。でも矢代英太は足が悪く車椅子だけで、その他の体は問題なかった。でも今回のお二人は、殆ど寝たきりであって、国会での発言はもとより、挙手も代理人がいないとできない状態だ。頭は回るのだろうが、そんな状態で過酷な国会議員が務まるのか、皆さん心配している。周りでは国会内の施設を重度障害者のために改造しつつある。矢代のために行った改造程度では全然だめらしい。これは国会内外の色々な施設でも続くことだろう。かなりの費用(公費)がかかる。
加えて、問題になるのが、お手伝い、代理人の介護費用だ。生活上での介護費用は障害者支援法により本人の一割負担で公的助成が保証されている。でも議員活動は移動のための交通費も含めて、「経済活動」と見なされ、公的補助が出ないのだ。本人たちはこれに不満で、改善を求めている。個人負担になると膨大なお金がかかるだろう。これは上述の通り、当面は国会費用(つまり参議院)で賄われるようだが(これとて原資は税金だ)、この解決には時間がかかるだろう。「経済活動」を介護保険で賄うとすると、対象者は日本全国に及び人口も多くなり今の介護保険制度ではとても成り立たなくなるだろうから。