今まで、何もしてこなかった北朝鮮が、今回は米韓軍事演習に対して、短距離ミサイルを6回も放った。そして、短距離ミサイル発射実験に対して米国トランプ大統領が事実上容認したとの談話を発表した。
確かにトランプは「長距離ではなく短距離ばかりなら問題にしない。人質も取り戻した。」と言っているが、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は「国連安全保障理事会の決議違反だ」と明言している。米国内では北朝鮮が協議再開に際して具体的合意に応じないまま短距離ミサイルを立て続けに発射したことで非核化交渉を前進させたいトランプに揺さぶりをかけられているとの見方が広がっている。
また北朝鮮の外務省高官は、韓国文政権に対して、「ミサイルの射程一つまともに判定できず、早朝からあがく姿は実にぶざまだ」と揶揄している。また「安保をよく管理する青瓦台(韓国大統領府)だから、早朝に安眠することはかなわない。」と警告した。実は昨年の4月金正恩委員長が文大統領と会談で、「未明や早朝のミサイル発射でたたき起こさない」と約束したことが完全に反故になっている。
この1~2年の北朝鮮の強腰はなんだろう。核がなければ世界で三流の最貧国に過ぎない北朝鮮がなぜにもこんなに強気であり、また米韓がそれに対して何も言えないのはなぜか。
やはり「核」を持つ貧乏国の暴言であり、それを許さざるをえない核の威力なんだろう。北朝鮮はそのことをよく知っているのだ。だが、その姿勢はリーダーとして5年しか経ていない若造の金正恩がやれることではなく、ベテランの側近の采配なのだろう。とにかくだから北朝鮮がおいそれと核を自ら失うことはあり得ないだろう。金正恩がトランプに対してたとえそうしたくて生約束をしても、側近が許すはずがない。
しかし、アメリカも韓国もそして日本も、そんなに怯えることはないのではないか。だって、核兵器は実際には使えない兵器となっているのだから。ひとたび使えば自国も壊滅し、滅びることになるから。まあ、北朝鮮は通常兵器では完全に劣っているので、核兵器しかない国で、自暴自棄になったら危険だと皆思っているのだろうが・・・。実に悲しい国だ。