工事中 

        豊英湖

 

      曇り/一時小雨→昼頃に日差し 北系の風1~3m

      満水・澄み・水温27℃

 

  仲台 30枚(オール尺上・平均700g)

  ① 18尺 三本の底釣り 両ダンゴ  ~10:30  20枚

  ② 16尺 三本の底釣り 両ダンゴ  ~15:00  10枚

 

 8月後半のイーグルへら鮒会と9月初旬の豊英湖愛好会で仲台の底釣りに注目

浅場のカケアガリで乗っ込み時には諸条件が整い易く仲台・エズケは大釣りが記録される

初秋ともなり湖水に濁りが無い場合は難しいと思っていたのだが・・・

 

 前回の釣行では堀切対岸で無残な結果だったが今日はリベンジの釣行

平日の金曜日なのに駐車場はバスファンでほぼ満杯の盛況

事務所に寄ると新べらの放流予定の案内書が張り出されており、

10月26日に第一回目の放流と記されている

 

 出舟時刻まじかに桟橋に降りると気が早いバスボートが桟橋周辺をキャストしている

ヘラファンは上流側に一人いて川又のポイントと被る恐れがあり無人の本湖方面へ行く

今日の風予報は北東風の3mなので橋跡の底釣りか堀切対岸でのリベンジか・・・

仲台のポイントも今日の気象条件なら釣れそうな予感

湖水の澄み加減は最高級だが、雲は厚く小雨が来ても不思議は無い空模様

仲台は風は背後からなので湖面も騒ぎが最小限で釣り易いだろう

最近の実績も十分なので仲台に直行する 

 

本湖・仲台の遠景(帰りに撮影)

 

 

 ポイント対岸(対岸の一本杉と滝の中間向き)

 

 

 ポイント

 

 

① 18尺三本の底釣り

   道糸1号

   ハリス上0.5号40㎝/下0.4号50cm

   ハリ上グラン6号/下同5号

   ウキ 秋山作B18㎝(羽一本取りパイプトップ)

 

 先ずはエサを作る

 芯華180㏄(カップ1.5)に水120㏄を加え放置後にマッハ120㏄で絡める

 小出しにして押し練りと手水や指圧加減で調整して使う

 

 18尺竿を出してウキ(パイプトップ)のバランス(6節出し)の確認

 釣り座の右手はドン深なので両バリにエサを着けてナジミ幅を確認

 底釣りのウキバランスは両バリ宙で6節出し下の黒帯中間を厳密にする

 釣りの途中でもウキバランスの点検は重要な要素なのだ

 

 さて、竿掛けの向きを調整してタナゴムで底を探る作業

 ウキゴムは竿の三本目の継ぎ目辺りから測り始める

 振り切りの遠目に着水させると5節ナジミ

 左右も同等に測ると同じナジミ幅でウキトップは落ち着く

 中央に戻しナジミ終えた仕掛けを竿尻で30㎝程手前に引いてのナジミ幅は3節ナジミ

 

 タナゴムを外して両ダンゴでのタナの微調整

 振り切りに近いウキの遠目にエサを落としナジミ幅は2節に微調整する

 エサをハリが隠れる極少にしてみると1節はナジミが出てタナ調整はOK

 

 寄せ打ちの両ダンゴをナジミ切りし左右も底の状態も確かめる

 7:20にウキの遠目方向の水面にモジリが出る

 此のポイントには居着き物は居ない筈で回遊物が浅場に来出した証し

 モジリが出ると釣れ始まることを経験している

 

 エサのサイズを普通サイズに戻し溶け上がりを見る

 ナジミ後から30秒位でジワッと溶け上がり始め、一分間位でバランス下の目盛りが出る

 此のリズムが基本形でポイントに魚が来れば早くなり触りが出る

 

 空模様が怪しくなり霧雨が降り始め、雲は黒く厚いが風は感じ無い

 雨模様は此処での釣りは好条件が加わることに繋がるので歓迎だ

 急いでシートを出し荷物を覆い、パラソルの用意はするが雨合羽は控える

 小雨は暫時で止み霧雨に変わる(結果的にはシートに皺に若干の水溜まりが有った)

 

 その準備が終わった頃にウキに目を向けると触りらしい動きが認められる

 一節の戻しに連動してツンと入る喰いアタリに構えた手が反応する

 掛かった感触の後、竿を上げると左右に走る力が強い大型の引きが伝わる

 魚の引きが強く横に早く走るので直ぐには竿が立たない

 暫くは魚の疲れを待ち引き寄せようとするが水面を嫌い強く抵抗する

 浅場での大型の引き合いは久しぶりで何時もの天々釣りとは異なる面白さが有る

 漸く沖目で力尽きたか水面を割りノッサノッサと引き寄せられるが

 玉網を嫌い再度走り竿を持つ腕が疲れを感じる

 正直、玉網に収めた時は安堵の大息が出てしまう

 

 1枚目は意外と早く釣れた

 

 

 回遊の群れは大きかった様で次投からも触りが続きウキから目が離せない

 幸いと言うか、不幸と言うか雨模様の雲を残してはいるが降雨は無い

 風は弱くダムサイト方向から堀切にさざ波が見えるがポイントは凪の状態

 しかし、ウキは右から左に流れ上エサがアンカーとなって止まる程度

 不思議と水面に浮遊する僅かなゴミは流れず留まったままだ

 

 

 尺上物揃いで引き味は最高感触

 

 

 10:30迄の約3時間で尺上物の猛者を20枚カウントする

 仲台で釣れる時の条件が重なったのだ

 唯、濁りが有れば諸条件が整うのだが、

 その場合は大型地べらオンリーとは成らない筈である

 

 此の間に底掛りが一回だけ発生して上ハリス切れしたが

 二回目の底掛りで仕掛けの丸環がオモリ共に切れて失う

 

 予備の仕掛けは直ぐにも作れるが、床休め(上ずり収め)の時を考える

 17尺を出して仕掛けを見るとウキゴム破損中で修理点検を怠ったままで不能

 

 仕方なく16尺「特昨・一天」を使って見る(仕掛けは18尺と同等)

 この竿は、三島・豊英湖が大好きで会友でもあった故渡辺史郎さんの遺品

 この竿に関する知識は何も聞いておらず私自身も調べる事も無かった

 故人とは三島湖の豚小屋ロープにて和舟で釣りをしていた時が最初の出会いで

 同じ会友でも有ったし、へら釣りには精通し、ヘラウキ「春団治」を世に出した人

 後にはへら専門釣具店主になり、ヘラ鮒釣りの良き時代を経た人だった

 

 16尺でエサ打ちの2投目にナジミ終えと同時に触り、2節戻してカチツと落とすアタリ

 合わせのタイミングもバッチリと決まり重厚な掛り時の感触は此の竿の独特な伝わり

 カーボン製では有るが、細身で振込みがし易く、和竿とも見える笛巻きと段巻きも美しい

 ところが、細身の胴調しで取り込みに際しては大苦心

 鍵掛橋で新べらを束釣りした時は差して気に留めなかったが大型には不具合なのだ

 魚の動きに合わせ竿が応えて曲がり適応する

 引上げようとすれば魚が頑張って竿の弾力に応えない

 決して胴の反発力を失った腰抜け竿では無い

 要するに仲台の大型狙いでは竿が引き負けてしまっている

 釣り座に立ち上がり両手を添えての拝み引きにも魚の体力が落ちない

 竿は満月と言うより水面に対して逆U字型に撓んで折れそうに思うが竿も魚に同調する

 そんなやり取りが続き魚が疲労したか水面近くまで浮く

 結果的に竿の弾力が勝ったが魚の激闘も素晴らしかった

 ハリを外す時に之も原因かと思ったのは上唇の正面を外していた

 

 16尺の2投目は取り込みに悪戦苦闘する

 

 昼前から黒雲が去り薄日も差し込むと魚が上ずり始めた様に触りが遠くなる

 居ると信じて底を向くのを待つ戦法に変える

 遠目に打ちナジミ幅を3目盛にして溶け上がりを待つ

 エサに近く来ればサワリで戻しが早くなるが気配だけでエサ落ちになる

 溶け上がりと触りとの違いは容易に判断が着く

 触りに連動してのアタリを見逃すまいと凝視するもアタリが無い事が多い

 

 日差しが当たると喰い渋ったが大型地べらとの格闘が続いた

 

 

 薄日から雲が切れて日光が直射する様になると喰いはより悪くなる

 それでも、溶け上がりを待ちバランス点を過ぎると様名が居ないのかと疑いが出る

 その次投では1節残しで触りが出て期待が膨らむ

 次々投で戻しが早くなり触りながら微細な変化を先読みして空振り

 期待を込めた次投で確実な喰いアタリを見極めて乗せる

 一枚の大型物を数投かけて時間を費やして手中にした時の喜びは少年時代に戻る

 その何れもが特作・一天の竿と格闘技を演ずるのだから面白い

 

 素晴らしい取り込みの動作は格闘技級の力技

 

 

 大型で平均700g~800g級

 

 

 何れの魚体も傷みは無く尾びれも綺麗で泳力抜群

 

 14:20で合計30枚となり、精魂を使い果たした爽快感が有る

 日差しが直接に差し込む浅場では釣るのは難しい状態

 しかし、結果は放流物を一束釣ったより満足出来る

 

 シマノ製の特作・一天は使い処を違えたが、思わぬ体験をさせてもらった

 何度も之以上は無理な力が懸り、仕掛け糸やハリス切れを誘うと思われたが

 竿が持つ極限の秘めた力が受け止めて撓み、

 0.4号の下ハリスが良く耐えて大物を釣る体験出来た事は素晴らしい