(記事より抜粋)

「なっちゃん」CMで一躍人気者に、ドロドロの不倫劇を演じたことも…俳優・田中麗奈44歳の“真骨頂”とは

 

三浦友和が贈った言葉

 中国でのドラマ初主演以外にも、田中は若いときからほかの女優がしたことのないような経験に恵まれてきた。2000~01年には、世界で初めてインターネットのみで配信された映画『好き』で主演を務めている。

  30代に入るとさらに役の幅が広がっていく。映画『源氏物語~千年の謎~』(2011年)では愛憎に苦しみ、ついには生き霊となる六条御息所をワイヤーアクションも使って堂々と演じきり、それまでの自身のイメージを打ち破ったと評価された。

  さらに映画『葛城事件』(2016年)では殺人犯と獄中結婚してその心の闇に向き合う女性を演じ、俳優として大きな転機となる。ただ、その演技は高く評価されながら、映画賞の受賞というわかりやすい形にはつながらなかった。それでも、このとき主演を務めた三浦友和からは、俳優の先輩としてこんな言葉を贈られたという。

 《今回の演技で、これからの女優としてのポテンシャルが見た人には確実に伝わったし、絶対に次につながっていく役だから、誇りに思ったほうがいいとお言葉をいただいたんです。(中略)『役者は何が転機になるかわからない。あなたのように、ここまで熱をもって演じられる人はいないから、頑張りなさい』って。その言葉は、15歳でデビューして、20年ほど演じてきた自分にとってのなによりのご褒美で、そして実際、『葛城事件』を見て、三島監督が今回の映画に呼んでくださった。30代になって以前よりまして、演技が面白くなってきて、自分でもどこか自由になってきたような気がします》