佐々木希さんから花束、古くは百恵ちゃんも…プレゼンターの効用 井崎脩五郎のおもしろ競馬学

 

今年のオークス。その表彰式は、笑顔にあふれたものだった。

プレゼンターの佐々木希さんが登場し、歩み出た優勝馬チェルヴィニアのオーナー、調教師、騎手、調教助手、生産者に次々と花束を渡したのである。『世界の美女100人』に選出されている佐々木希さんが、飛び切りの笑顔を添えて。しかも、心のこもった両手の握手とともに。

渡されたほうも本当にうれしそうだった。その様子を見ながら、長老記者がポツリ。

 

「先輩は、こういう花束贈呈を、いつぐらいから見てますか?」

「50年前かな。1974年の日本ダービーをコーネルランサーが勝ったとき、百恵ちゃんが出てきたんだよ」

山口百恵さん!?」

「うん。スタンド前の芝コースの上で、コーネルランサーから下りた中島啓之(ひろゆき)騎手に、百恵ちゃんが花束を渡してな。横じまのワンピースにハイヒールをはいて、かわいかったなあ。前の年にデビューしたばかりで、まだ高校1年。もしかしたら、プレゼンターの最年少かもな」

長老は、本命にしたキタノカチドキが3着に敗れた悔しさを、百恵ちゃんですっかり忘れたという。プレゼンターの効用だなあ。(競馬コラムニスト)